片思い
どんな罵倒をあびても、ずっとあの人に付いてきたのに…。
な ん で ?
おおきく振りかぶって~片思い~
元希さんとバッテリーを組んでから付き合い始めた。
シニアの練習がおわると元希さんの家でセックス。
それが日常だったんだ。
でも、元希さんは俺にキスをしようとしない。
「好き」の一言も言ってくれない。
嘘でもいいから、言ってほしい。
もっと触れたかった。
俺から放れないで。傍にいてほしいんだ。
素直にいえなくて……愛してるって言ってほしくて。
俺は捨てられた。
あの人は遊びでも、俺は本気だった。
躰だけの関係でもいい。ずっと、一緒にいたい。
「投手としてじゃなくても、俺はお前が好きだよ!」
なに、、言ってんだ。
俺は…俺はあの人が好きなのに…何で三橋にこんなこと。
やっと、わかった。
元希さんは俺じゃなくて、あの12番の人が好きなんだ。
「タカヤッ!」
やめろ。
「タカヤッ!!」
やめてくれ。
昔のように俺を呼ばないでくれ。
その声が愛しくて。
触れたくて。
あの人の球を受けたくて。
こんなに苦しくなるなら夢でいい。