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dmc3双子短編詰め合わせ

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じぶんのよわさをしらない(3D)


目の前にあるものがすべてであった幼いころは、凄く小さな世界の中で生きていて、不変を馬鹿みたいに当然だと思っていた。朝、母親に起こされて兄弟そろって朝食をとり、いつも同じようなことで喧嘩をして、仲直りする時もそうじゃない時もあったけれど、結局おやつの時間には二人揃ってテーブルに並んだお菓子を食べ、昼寝をして、そんなふうに続いている生活のサイクルが、永遠とこの先続いて行くのだと確信していた。現実はそんなもんじゃないと知らなかったあの頃の自分には不可能はなかった。不可能ではない物だけしか目に映ってはいなかった。今考えてみれば子供らしく純粋で無知であったんだろうと思う。綺麗なものだけを詰め込んだような、あの小さな箱庭の中での生活は今でも胸の奥底で確かに息づいている。呼べば答えてくれた声の調子だってしっかりと覚えているのは、もしかしたら自分だけなのかもしれないが。確かに幸せであったのだ、あんただってそうじゃなかったのか、どうしてこんなことになってしまったんだ、あんたで最後だってのに、出てきたがる言葉はたくさんあったが声になる前に胸に沈んでいった。馬鹿野郎とこぼそうとした口元が、ニヒルな笑顔を作ろうとする。そして吐き出した。

「あんたを止める。殺してでもな。」