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Moonlight Ⅱ

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「おいコラ、何してんだよ。」

「添い寝だ。」

「ふざけるなぁぁぁ!!!!」




Moonlight 





深夜0時過ぎ、
近所迷惑だとは思ったが叫ばずにはいられなかった。

今日からガキと一緒に暮らすことになった。
ガキといっても中身は立派なおっさん。
ていうか俺の敵。

なんでも毒を盛られて縮んだそうだ。
いろいろ事情があって仕方なく俺の家に居候させることにしたんだが、
さっそく居候の条件を破りやがった。


「俺は住まわせるかわりに条件を出したはずだ。」

「分かっている。」

「分かってたらなんで俺の部屋に、つかベッドにおめぇが居るんだよ」

「だから添い寝と言っているだろう。」


見た目はガキのくせに言葉使いは偉そうでムカつく。
ていうか協力してやってんのはこっちだぞ!!


「今すぐ出て行け。」

「こんな夜中に子供を追い出すのかい?」


ニヤリと笑った顔はガキの顔じゃない。
だが、確かに見た目は子供だ。
こんな夜中に子供を追い出してこいつに玄関で騒がれたりしたら、困るのは俺だ。
なるべく目立たず平穏に暮らしたい。
俺の裏の顔のためにも。


「くそっ。とりあえず俺の部屋から出てけ。」

「本当につれないね君は。」


ニコッとされても全く嬉しくない。


「その姿でそういうことを言うな。」

「鋼の」

「!!」


こいつは俺の正体を知ってる。
俺の裏の顔が怪盗Fullmetalだってことを。

怪盗Fullmetalは世間が勝手に付けた呼び名だ。
俺の右腕と左脚は機械鎧だから。
まぁ、右腕しか知られてないけど…

そんで、俺の仕事の度に現れるのがこいつ。
今はガキになってるけど、軍人で、しかも大佐で。
こいつにだけは何回も捕まりそうになった。

でも、いつだって捕まりそうになるだけ。
こいつは最後は必ず逃がすんだ。
言い訳は現行犯じゃないからとか、宝石を返すからとか言ってるけど。
それが本心だとはどうも思えねぇ。
じゃあ何が理由だって考えてもさっぱり分からないからムカつく。

さらにムカつくのが、
こいつはちょくちょく女に言えばいいような台詞を言ってくる。

会えて嬉しいよとか、
美しいねとか、

誕生日おめでとう…とか…


あの時に分かった。
こいつが俺の正体を掴んでること。
俺はもう終わったと思ったけど。
こいつはエドワード・エルリックには手を出さないと約束してくれた。

犯罪者と軍人の約束なんてありえないと思うけど。
だけど、何故か信用出来る気がしたんだ。


「脅しのつもりか?」

「そんなつもりはないさ。ただ、少し話がしたくてね。」


少し警戒した俺だったが、それは杞憂に終わった。


「錬金術について語らないか。」

「へ?」

「君とゆっくり話してみたかったんだよ」


俺は怪盗の時によく錬金術を使う。
もちろん乱用はしないし、ちょこっとお邪魔する時と逃げる時。
目くらまし程度だ。
でも、俺の練成方法は手を合わせるだけだから魔法なんて言うやつも居る。
見るやつが見ればあきらかに錬金術だけどな。

こいつは俺がどうして手を合わせただけで発動させられるのかずっと気になっていたらしい。
詳しくは話せなかったから、気づいたら出来たんだなんて誤魔化しちまったけど。
なんとか納得してくれた。


それからはこいつの錬金術の話とか、お互いの考え方なんかを話した。
こんなに話が合うなんて思ってもみなかったし、なにより楽しい時間だった。



結局、俺たちは話疲れていつの間にか寝てたらしく。
添い寝してしまった。

寝顔…かわいい…


俺の横で、ガキがまだ眠ってる。
少し口をあけてそこからスースーという寝息が聞こえる。

黙ってたら可愛いじゃねぇか。素直にそう思う。




今こいつに何が起きているか、
どんだけでっかい事件に巻き込まれてんのかわかんねぇけど、



こいつとの二人暮らしもまぁ悪くないかと思えた。




「ロイ、よろしくな。」





スースースー…


今朝は気持ちいいぐらいの晴れだった。









ロイの起床後、
エドワードの部屋に寝た罰として
朝食抜きになったことは

まっ当然。





end
作品名:Moonlight Ⅱ 作家名:おこた