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泣けるような未来が

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無益なことを考えてしまった。
もしも、自分にこんな力がなかったなら、
そう、たとえ一瞬にも満たない刹那考えてしまったこと。それは、誇り高き統率者である彼への限りない侮辱だった。
ぼくは彼に望まれてここへ来た。彼が望んだからこそ、ぼくは力を手に生まれてきた。ぼくが考えるべきなのは、どうすればもっともっと彼の指示通りに動くことができるか。もっと彼の意志を強く鋭く伝えることができるか。それだけで、いい。
ねぇそうでしょう、グラン・パ?
『行け、』
たった一言のテレパシーで、ぼくの内側は熱し滾る。強烈な意志を秘め、妙に凪いだ思念は、こうやって命令をするのにはとても相応しい。ぼくにとっての至上命令。
これから始まる戦闘へ向かう。
今回はニンゲンの船を、何機落とせるだろう。
思いつつ、振り返った先にいる彼を見た。
ぼくやアルテラ、ナスカチルドレンの働きは圧倒的だった。ブルーという先駆者が半ばで命絶え、継いで彼が進もうとしている長い道を、凄まじい速さで切り拓いていった。今迄のミュウなんて、ただの弱々しい精神感応者にすぎない。ぼくらこそ、正しく本物の新人類だ!
誇負する一方で、彼の様子が気にかかった。なにも映さぬ双眸を遠く星々へ向け、何を憂えているのだろう。弾けるように健やかであった彼をぼくは上手く思い出せない。深層にあるものは一部の隙もなく変わらず、燃える願いとまた同等の痛みを吐き出し続けているというのに。
(苦しいのなら、そう云って。)
自ら強いて成長をしたぼくは、外見だけなら既に彼よりもずっと青年めいている。
(苦しいのなら、ぼくにだけ云ってほしい。)
もっとこの体が小さかった時、パパやマムと同じように彼はぼくを抱きとめてくれた。皮膚から伝わってくる優しい思念があった。
(そうしたらぼくは幾らでもこの力を奮って、その苦しみを払えるように努力するんだ。)
けれどきっとそんなことで彼は喜ばないのだということが、ぼくには分かっている。この力も彼にとっては厭わしく、厄介なものなのだろう。今はもう彼に抱きとめてもらうことなどできはしない。選択したのはぼくだ。彼の役に立つためにはこうするしかなかった。ニンゲンとミュウ。ヒトを傷つける力を望んだのは、貴方だというのに。ぼくが従順になればなるほど、彼の憂いは降り積もる。
だって彼の祈りは、傷つけねばならなかった数多の敵と脆弱な仲間に向けられているんだ。下らぬ過去の統率者へと向いているのだ。
(もしもぼくが弱かったら、あなたはもっとぼくを見てくれた?)
思ってすぐに苦い感情が広がって、舌打ちをしてから宙へと飛んだ。
作品名:泣けるような未来が 作家名:ぺあ