電波ジャッカー
林:なんだここ。
公:ラジオ局というらしい。
林:は?
公:私とお前でなんか喋って尺を取れ、との指令だ。
林:ちょ、どこからそんな命令受けたんだ。
公:受けたもなにも、お前の後ろにそう書かれているんだから仕方ない。
林:(ゴソッ ゴツッ)痛っ。 なんだこれ。
公:お前の頭がぶつかった音がしたあたり、どうも音を集めるものらしいな。
林:ていうかこの頭に付いてるのはなんなんだ。
公:……あー……あ、あー……ぁぁー
林:何してんだ、お前……
公:黙ってろ馬鹿。
林:馬鹿だと?おい、公孫勝 馬鹿と
公:分かったぞ。
林:は?
公:多分この金属製の物体は音を集めるものに違いないらしい。 そしてこれが集めた音が、この頭についてる物体の耳当てから聞こえてくるようだ。
林:ほうほうなるほど。 そしてなんでお前はそんなに落ち着いているんだ。
公:これが落ち着いているように見えるか?
林:ああ見える。 真っ裸で明らかに水浴び中連れてこられた感満載な状態でも周囲の状況把握しようというその肝の太さに呆れ果てるほどにはそう見える。
公:これでもかなり動揺はしている。せっかく苦労して把握した状況をうっかり口を滑らせてお前に伝えてしまう程度には動揺してるさ。
林:そうか、お前にはあるまじき事態だなそれは。くそ野郎が地獄に落ちろ。
公:この先も動揺のあまりおまえを罵倒してやることができないかもしれないがそこはこの危機的状況下での不測の事態ということで許してくれないか。
林:よしわかった。お前がとんでもねえ外道だということがよくわかった。
公:外道とは失礼だな。
林:お前に対して欠く礼などない。
公:親しき仲にも礼儀ありというだろう。
林:お前と親しかった覚えはない。
公:無い無い尽くしだな。
林:あるとしたら敵意くっうお!?
公:?(ゴソゴソ)……[二人の馴れ初めを話せ]……?
林:おい、馴れ初めってなんだ、馴れ初めって。そしてなんで札がそんな勢いよく飛び出てきたんだ。
公:やめろ馬鹿。周りにいくら突っ込んでも無駄だ。
林:ちっ
公:で、何だったかな。馬鹿の駄目なところは何か、だったか。
林:だったかじゃねえよお前さっきから俺のことを馬鹿としか呼んでねえなふざけんな。
公:その事実に気が付くとは、お前は私が思っていた以上には頭がいいらしい。
林:どこまで舐めてやがるこいつ一回でいいから殴らせろ。
公:とりあえずすぐ暴力を引き合いに出すのは馬鹿の特徴だな。
林:おいやめろ。
公:二人の馴れ初めといえば多分単行本二巻のはずだな。
林:唐突に話が戻った!!
公:渭州の牢獄から出て聚義庁で話し合いをしている間、ずっとお前に視姦されていたのが最初か。
林:最低だなお前あの描写をそう取るとは全く予想外だ。
公:全く、心身を穢された気分だ。
林:そんなに気にしてないだろ絶対。お前いま場の勢いで言ってるだけだろ!?
公:加害者はいつもそうやって言い逃れをする。
林:……俺のが仮に視姦だったとして、俺よりも大概に重罪のやついただろ。
公:ほう?
林:石秀とか。
公:そうか?
林:いやいやいや絶対あいつはやべえから!!ちょっと待てお前気が付いてないのか!?
公:知らないな。
林:俺はお前があいつの視姦を受けて貞操の危機を感じたからあいつを致死軍から放逐したんだと思ってたんだが……
公:お前は致死軍をなんだと思っているんだ?
林:ていうか致死軍は全体的に駄目臭かったからな……致死軍以外で言えば石勇とかかなり怪しかったが……
公:どんな風にだ。
林:いつかお前を襲うと思ってた。本気で思ってた。石秀と同じ匂いしてた。
公:私を襲えると思っているのか?
林:お前は自覚ないかもしれないがな、水滸伝の二次創作ではお前九割が受け側だからな。
公:心外だ。
林:まあ、事実そうだし仕かt
公:あぁ?
林:、
公:俺のどこが受けだって?
林:言葉遣い乱れてる!!原作でも一回しか出てこなかったのに!!
公:犯すぞてめえ。
林:いや、無理だろ。
公:あん?
林:斬った相手から剣を抜くのに足使うようなお前じゃ無理だ。
公:ちっ……
林:好い加減話を戻そう、落ちの付け所が見当たらない。
公:二回目は三巻だったかな。
林:はっ!?あっ、戻ったのか、えっ、いやっ、えっ、そんな描写はなかったはずだが!?
公:……何の話をしてるんだ?
林:だから、二回目だろ?
公:そうだ。三巻じゃ無かったか?四巻?
林:あれだろ?だから、一回目はお前らが梁山泊入りした日の夜で、二回目は安道全のところで揉めたあと俺の部屋で……
公:安道全のところで揉めた時の話をしているんだ俺は!!
林:ん?
公:だから俺とお前が出会ってからの経歴の話だろうが!!行間は読まなくていいって言ってるんだ!!
林:、
公:最低だこいつ……
林:大丈夫かお前、耳まで真っ赤だぞ?
公:しねっ!!!
(SE:ガタッ ガツン)
林:ちょっま、おい馬鹿狭いとこで暴れんじゃねえ!!おい!!!
(SE:ガッ!! ゴン バキャ ザッ……ザザー……)
作品名:電波ジャッカー 作家名:龍吉@プロフご一読下さい