selfimmune
買っているということをほかの誰かに指摘されるのはだが不快だ。俺は絶対にあいつの敵でいたい。理由なんてないが、強いていうなら、あれの隣で言葉を選んで彼の機嫌をとる自分が想像できないし、想像しようとしたら吐いてしまいそうなほど不快な絵だった。俺たちは自分の本音を(あるいは互いにとって一番不快な言葉を)ぶつけあってぼろぼろにされ、する関係に満足している。あれの自尊心を傷つけるのはときに人生のどの瞬間より楽しい。たぶん、最後の最後にとどめをさすのはお互い、どちらかで、どちらかが生き残ったとしてもそこからは平坦な人生が続いてるのがわかる。殺してしまいたくないなぁ、と思いながら、本当にかけねなしの本気で互いをつぶしたいと思ってるよ、だから、
早く殺しにこないかな。
俺は机にぺたん、と横になって彼の来訪を待った。火種はもう放った。
まるで彼をここに誘うように、露骨ではないが、それなりに誠意をこめて。
(俺はつまり、何がしたいんだろうな。死にたくないし殺したくないのにいつまでこうやってちょっかいかけてかまってほしがっているのだろう。こうやって少し恋しくなったころに、何を)
作品名:selfimmune 作家名:桜香湖