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らきど べるはぴば

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ファミリーの幹部同士は、毎日、顔を合わすことは少ない。会議や急な召集があれば、慌てて本部に駆け付けるなんてことになるのだが、それも今のところはない。だから、幹部同士が顔を突き合わせるなんてのは、一ヶ月に一度か二度がいいところだ。

 というのが、普通のファミリーの幹部の話だが、CRー5では、ちと事情が違う。まず、筆頭幹部と次席幹部が、出張でもない限り、毎日、朝のお茶を一緒しているなんてことになっているし、カポは本部に住んでいるようなものなので、ここに時間があれば邪魔をしてくるし、他の若い幹部たちも同様だ。なんだかんだで、毎日のように誰かが、筆頭幹部と次席幹部の茶会に顔を出して居たりする。筆頭幹部は、ほとんど本部の執務室から動かないから、こういうところで情報交換したり、顔を合わせたり出来るのが、CRー5の特徴といえるだろう。

 本日は、カポが同席して、お茶を楽しんでいた。前夜、この筆頭幹部の誕生日祝いなるもので深夜まで騒いで、そのまんまカポの部屋で筆頭幹部も寝たからだ。次席幹部は、まだ到着していないから、まったりとした時間が流れている。

「やっぱ、幹部連中だけで飲むのは楽しいよな? ベルナルド。」

 毎日連日連夜、接待漬けのカポとしては緊張しない幹部連中と呑んで騒ぐのが、一番のストレス解消だ。いろいろと理由はつけて、それを実行している。昨夜は、筆頭幹部殿の生誕日だったので、それを理由にした。どこかへ出かけるより、仲間だけで、と、本部で吞んだ。

「まったくだね、ハニー。だが、イヴァンは大丈夫だったのかな。かなり酔っ払っていたけど。」

「でーじょぶ、でーじょーぶ。あいつ、瞬間湯沸かし器みたいな性質だからさ、酔っ払うのも早いけど冷めるのも早いんよ。まあ、他にも早いとこあるけど? 」

 くふふふふふ・・・と、カポは含み笑いをする。しかし、イヴァンだけは、ちゃんと飴玉の詰まった瓶を投げて寄越した。誕生日だから、お祝いの品だが、ツンデレ仕様のイヴァンは、「ハゲに効く薬だ。」 と、憎まれ口を叩きつつ渡してきた。そういう気遣いのできるのは、幹部ではイヴァンだけだ。ちなみにカポは、「誕生日祝いは、あ・た・し。お持ち帰りおっけぇーよぉ~ん。」 と、自分の頭にピンクのリボンをつけていた。

 筆頭幹部殿にとって、この贈り物は一番嬉しかったので、ご機嫌でお持ち帰りというか、本部のカポの部屋で一緒に朝までコースになった。とはいうものの、どっちも酔っていて、機嫌良くベッドにダイブして朝まで、ぐっすり睡眠だったので、何も疚しいことはない。

「ジュリオも久しぶりで楽しそうだったな。」

「うん、でも、あいつ、酒よりアイスクリームばっか食ってたけど、腹大丈夫かな。」

「どうだろうね。」

「ちょと、ダーリン? ちっとも食べてないけど二日酔いかしらん?」

 お茶とサンドイッチが準備されているのだが、筆頭幹部は手をつけていない。ほぼ、カポがばくばくと消費している。

「いや、今朝のことで胸一杯でね? ジャンの寝顔は可愛くて、いいおかずになりそうだな、と。ふはははははは。」

「俺の寝顔? あんた、ほんと、変態だよな? それで抜けるのか? 」

「バンバン抜ける。ただいま、急ピッチで、俺のあそこで精子を製造中さ。」

「うわぁー、やだわーダーリン。そういうことなら、あたしの身体で満足してくれなきゃ。」

「きみを腕枕にして眠れるなら、それだけで十分さ。」

「ま、淡白な人。・・・・・とりあえず、それは今後の展開次第ってことでさ。はい、あーん。」

 カポは、小さなサンドウィッチを摘み、筆頭幹部の口元へ運ぶ。ちっとは食え、と、いう実力行使だ。そうされると、筆頭幹部のほうも頬緩めて口を開く。 ぱくっと、サンドウィッチを食べると、その指にも吸い付く。

「もう、朝から? 」

「せっかくだから、こちらもいただこうかな? 」

 もきゅもきゅとサンドウィッチを飲み込んで、筆頭幹部は、その指にキスをする。しかし、カポのほうも慣れたもので、「はいはい、それより栄養補給してね? ダーリン。」 と、指の代わりにサンドウィッチを口に捻じ込む。そんなやりとりをしていたら、唐突に扉が開いて、次席幹部がやってきた。朝の挨拶回りをしてきたらしく、ぴしっとしたスーツ姿だ。カポと筆頭幹部がいちゃいちゃしているところなんて見慣れた光景だから、さらりと無視して、ポットからコーヒーを注いで飲んでいたりする。

「ルキーノ、メシは? 」

「とっくに食った。おまえら、今頃まで寝てたのかよ? 」

「だって、俺、ベルナルドにお持ち帰りだったしぃーー。」

 コーヒーを口にしつつ届いている新聞を開いている次席幹部は、カポの言葉にへらっと笑った。

「濃厚な夜だったか? ジャン。」

「そりゃもう、目くるめくスペクタルな夜だったぜ? 」

「そりゃ結構なことだ。・・・・おまえ、朝に予定が入ってたろ? そろそろ時間じゃないか? 着替えろよ。」

「え? あったっけ? 」

「扉の向こうで、時計を気にしてたヤツがいたぞ? 」 と、次席幹部がおっしゃった、すぐ後に遠慮がちにドアがノックされて、カポの部下が、「予定の時間です。」 と声をかけてきた。

「ほら見ろ。」

「なんだよーもうちょっと、ベルナルドといちゃこらかましてやろうと思ってたのに。」

「仕事なら仕方がない。ジャン、名残惜しいから、また、今度じっくりやってくれ。」

「へいへい、働いてくるか。」

 カポが部屋を出ようと扉に近付くと、ジュリオが現れた。視線だけの挨拶で、カポに従うように歩き出す。パタンと扉が閉じられると、静かになる。新聞を捲る音と、コーヒー飲む喉の音が聞こえるだけだ。別に、筆頭幹部と次席幹部は、何か話す用件がなければ、どちらも無言だ。毎日のように顔を合わせているのだ。それほど会話があるわけではない。二紙の新聞に、ざっと目を通すと、次席幹部は立ち上がる。これから、ひと眠りして、次の挨拶回りだ。

「・・・今夜は、俺の時間をプレゼントする。」

「わかった。」

「どうする? 」

「俺のところで、どうだ? 」

「わかった。」

 それだけを会話すると、筆頭幹部も立ち上がる。そして、視線を合わせてチュッとフレンチキスを交わした
作品名:らきど べるはぴば 作家名:篠義