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ゴルベーザ
ゴルベーザ
novelistID. 23798
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Distorted Love 6

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―静雄Side―





何でだ………?
昨日まで出ていく気配なんかなかった。
今日はずっと一緒にいるつもりだったのに。

ふと、割れたマグカップを見て、全身が凍った。

「……俺は何てことを……。」

俺とお揃いの帝人のマグカップ。俺が初めて誰かとお揃いの物を持つようになった物だ。
その初めてが帝人だったことが凄く嬉しかった。
それをどうでもいいと吐き捨ててしまった。

自分は帝人の傷を癒すどころか、逆に傷つけただけじゃないか。

そのとき、開けていた窓から風が吹き、机の上に置いてあった紙がこちらへとんできた。
それは几帳面な文字で書かれた帝人からの手紙だった。

それを読んだ俺は子供の時さえ流さなかった涙を流した。

「………ごめん、帝人。……俺情けない奴でごめん…………。」


『静雄さんへ
今までお世話になりました。
僕はこれから自分自身と向き合おうと思います。
今の中途半端なままじゃ駄目だから。静雄さんと向き合えるような人間になりたいから。
だから勝手に出ていく僕を許して下さい。
そして、出来たら待ってて下さい。いつになるかは分からないけど待ってて下さい。
僕がまた静雄さんの所に帰って来たら強く抱きしめて下さい。
その時僕の想いを伝えようと思います。

あと、僕がいなくなってもレトルト食品ばかり食べないで下さいね。最初来た時、冷蔵庫の中がレトルト食品だらけでびっくりしました。
僕が戻る前に体壊してたら怒りますよ。

それと、こんな僕を好きになってくれてありがとうございました。気持ちに応えられなかったのに最後まで甘えてばかりでごめんなさい。

      
                               帝人』

「……待ってるよ、いつまでも。…もう遅いかもしれねぇけど。」

泣きながら俺は笑った。
………もう見れないかもしれない帝人の笑顔を思い浮かべながら。




作品名:Distorted Love 6 作家名:ゴルベーザ