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ぺたり。

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その重みが。側にある事を喜んでいる。




 背中に、人の温もりとそれなりの重み。
 この重みにももう慣れたけれど。
「達海、一度寝た方がいいんじゃないか」
「これ終わったら」

 その言葉は30分前にも聞いた気がする。
 達海にかかる負担は分かっているから、少しでも寝かせてやりたいと思うのだけれど。

「30分したら起こす」
「……」
 背中にあった重みを膝に上に移動させて。ついでに手の資料を取り上げる。
「まだ終わってないのに」
「起きてから終わらせればいいだろ」

 ふくれるくせに、髪を撫でればぺたりと頬を寄せられて。

「30分だけ」
 そう目を閉じる相手を。30分後に起こすのがおしいななんて思ってしまったのは言わないでおく。
作品名:ぺたり。 作家名:葵恭