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白ひげ海賊団に入りたい!

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■設定■
仮名:ヒビキ
見た目10歳くらい、黒髪黒目
能力者⇒ユメユメの実(言ったことが本当になる。制限あり)








『風が吹くよ』
『そしたら雨が降ってきて』
『すぐに嵐になっちゃうよ』

「・・・で、次は何だよい」
「言ってもいいの?」
にやあ、と子供は笑った。どう贔屓目に見ても年に似つかわしくない邪悪な笑みだった。突然船に現れた妙な子供は、マルコがどんな質問をしても意味の分からない返事を返すし、やっと通じるような言葉を喋ったと思ったら船は大嵐に見舞われてえらい目にあった。
「クソ生意気なガキだよい」
マルコは片眉を上げて子供を引っ張る。もう相手にしちゃーいられない。軽い身体は簡単に持ち上がって、そのまま親父の所まで引っ張っていく。首根っこを掴まれた子供が苦しそうに身を捩って何か喋ろうとしたので、とりあえず口を塞いでおいた。


「親父、変な餓鬼が────」
『あ、上からタライが!』
ゴーン。どこからともなく降ってきたタライがマルコに直撃した。親父の部屋に入って拘束が緩んだ隙に逃げ出そうとしたらしい。大したダメージではなかったがマルコの米神に青筋が浮かんだ。
「こっのクソ餓鬼が!」
小さな頭にゴン、と拳骨をお見舞いする。目に涙を溜めて悶絶する子供を尻目に親父の地を揺するような笑い声が聞こえた。
「グラララララ!!そいつあ何処のガキだ」
「それが行き成り船に現れてねい」
「おいチビ、お前何処から来た」
まだ頭を摩っている子供に視線が集まる。座り込んだまま顔を上げた子供はまだ10歳くらいに見えた。真っ黒の目と髪の、どこにでもいそうな普通の子供だった。
「・・・さあ、転々としてたから」
ふて腐れる様は激しくどこかの誰かを彷彿とさせる。マルコは黙って会話に耳を澄ませる。
「能力者か?」
「まあね、『ユメユメの実』を食べた」
「聞いたことねーな」
「言ったことがホントになるんだ。それで興味本位で『今一番HOTなトコに行きたいなー』って言ったらここに出ちゃった」
そういえば「もうやんなっちゃうよね」とケラケラ笑う子供はエースが模擬戦で燃やしたデッキから現れた気がする。それを伝えると親父はまた笑った。
「グラララララ!!そいつあ災難だったな」
「うん、しかもちょっとスタミナ切れでさー。しばらくここに置いてよオヤジ!」
「ここは海賊船だぞ?」
「うん、なんたって今一番HOTな場所でしょ!」
また豪快な笑い声を上げる親父に餓鬼は笑って告げた。
「おれはヒビキ!ってことでよろしくね、バナナのにーちゃん」
振り下ろされたマルコの拳によって子供改めヒビキがもう一度地に沈んだことは言うまでもない。