浴衣
「似合うなぁバニー」
「……そうですか?」
初めて着たというそれに本人は居心地悪そうにしているけれど、真っ直ぐ伸びた背筋には似合っていて。
一つにくくられた髪もいつもと違って良い眺めだ、とは言わないけれど。
窓の外には打ち上がる花火。それを眺めながらグラスを合わせて。
「こういうのも悪くないですね」
「だろ?」
普段はあまり晒されない白い首筋を撫でる。
「ちょっ…っ」
「うん、いいな」
この白い首筋が赤く染まるのを知っているから。
つい手を伸ばしてしまうのだけれど。
「…っ花火を見ようって言ったのは虎徹さんでしょう」
「ん? あぁ、花火見終わったら続きしような」
そんな言葉で赤くなる顔も悪くない。
「本当に、あなたって人は」
いつもとはちょっと違うバニーと花火と美味い酒。
悪くないに決まっている。