洋酒の力
臨門前提 岸谷新羅
「門田君って、洋酒だけは飲まないけど、嫌いなのかい?」
「……何だ急に」
「気になっただけだよ。で、どうなの?」
「……別に、嫌いな訳じゃねぇよ」
「じゃあ、どうしてだい?」
「……飲みすぎると、いろいろ忘れちまうんだよ」
「…どういう事かな?」
「印象が薄い記憶が、飲んだ後には思いだせなくなっちまうんだ。だから、小っせぇ時のことなんて、もうわかんねぇんだよ」
「そう、だったんだ…」
「……俺も、臨也に言われるまで、気づかなかったけどな」
「……」
(忘れる、ね……)
「……ぐぅ」
「門田君、寝ちゃったのかい?」
(洋酒を飲むと、印象が薄い記憶は思いだせなくなる……それならば、門田君の記憶から、臨也を消すことは可能だろうか?)
「んぅ………いざ、や……」
「……無理難題、ってところかな」
(だって、君は臨也より先に、僕を忘れてしまうだろう?)
あれ、なんか切なi((
作品名:洋酒の力 作家名:門田京平»ずれて、廻る。