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THE SPEAK OF MY HEARTS!

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2.



なんだよ、有給って話じゃなかったのか?」
 面白そうに笑うアントニオの声に、半休だよ!と虎徹は声を上げた。
「で、ハンサムは?」
「しゅざーい、アニエスが連れてった」
 告ぎ早にそう声をあげたネイサンに虎徹はそう答えると、トレーニングマシンに座った。
「なーんか、いつもより忙しかった気がする」
 こてんと首を機械に預けると、なに言ってるのこれからでしょ、とネイサンの声が上がった。
「夜から復帰したヒーローに対しての生インタビューもあるでしょ、ブロックスブリッジの特設ステージで」
「はぁ?」
 思わず虎徹が声を上げれば、あんたアニエスから聞いてなかったの?と言われた。
「きーてねーよ、あいつ三時からの取材があるからってバーナビー連れて行っただけだぜ」
 と、そう声を上げた所で虎徹の腕のPDAが着信を告げた。
『タイガー、言い忘れてたわ』
「あー今聞いた。生インタビュー?」
『そう、ジェイクの件からあの橋も直って、市民の誠意よ』
 アニエスの声にどういうこと?と声を洩らせば、昼に会った時に少し話したでしょう?とアニエスが声上げる。
『急遽決まったことがあったって、言ってたでしょ。伝え忘れよ』
「さいですか……」
 キャリアウーマンのやり手のプロデューサーが珍しいなぁ、と声をあげれば、こっちも色々準備が多すぎて大変なのよ、と声を上げる。あの橋の近く以外も中継車が色々な場所に止まってたの位見たでしょう?とアニエスは声を上げる。
 その言葉に心辺りがある虎徹はあーと声を上げた。
「そういやあったわ、やけにヒーローTVの中継車多いなーって思ってたら、そう言う事か」
『そういうこと、詳しい話はほかのヒーローから聞いて頂戴』
 その言葉を最後にアニエスからの通信が切れると、後ろから虎徹の様子を見ていたアントニオとネイサンにどゆこと?と虎徹は首を傾げながら声をあげれば、アントニオは一言声を上げた。
「ブロックスブリッジ大花火大会」
「どういうこと?」
「そのまんまだ。ジェイク事件の功労者のバーナビーと、その相棒ワイルドタイガーと、そして今も街の平和の為に全力を尽くして戦ってくれているヒーローに市民からの復活祝いらしい、所謂逆ヒーローキャンペーンみたいなもんだな」
 アントニオが声を上げれば、まあ、あくまでそれは言い訳でもあるけど、とネイサンが笑う。
「言い訳?」
「んー言い訳っていうか、切欠かしら?」
 ふふふ、と笑うネイサンに、もう一度虎徹が首をかしげれば、あれだあれ、と若人の三人のヒーローがなにやら作戦会議よろしく一緒に居た。どういうことだ?と思いつつ、虎徹はそちらに向かうと、何かを囲んで床に座ってうんうんと呻っている三人になに見てんだ?と声を上げれば、イワンが、あ、と声を上げた。
「屋台って、どんなかんじなんですか?」
「は?」
 三人が座って囲んでいるのはなにやら一枚のチラシのようなものだ。なに見てんの?とおもいながら、虎徹はカリーナとイワンの間の後ろに座りつつ、それを見ればブルックスブリッジ大花火大会と書かれている。
「なぁ、イワン、花火大会と屋台ってどういうことだ?」
 俺の実家の方なら兎に角、こっちでそういうのって見たことねーんだけど?と声を上げれば、今回の花火の趣旨がタイガーとバーナビーのコンビに対しての感謝を込めてが一番ウエイトを占めているらしく、どうやら東洋系と言われているタイガーの地元を意識しての日本風ラインナップの花火大会らしい。
「ジャパニーズ的な花火らしいんですけど、それに便乗してそういう風な屋台も多いらしくて、網羅したいなと今、作戦会議してるんですよ」
イワンの声にへーと虎徹は声を上げれば、カリーナがどうなの?と声を上げて、ホァンに至ってはキモノ着るんだよね?と、ぎゅうと両手で拳をつくり、そうタイガーに問う声を上げる。
「えっ、浴衣とか用意してたのか?今回のこれ、俺はいきなり聞いた話だったんだけど……」
思わず虎徹がそう声を上げれば、トレーニングルームの入り口から慌ただしい声がこちらに向かってきている様で、ん?と不思議そうな顔をした虎徹はそちらを振り向いた。
「ワイルドくん!」
そう声を上げて入ってきたのは、キースだ。
「んんん?って、お前どうしたの、その格好!」
「いや、折紙くんが、みんなの分のキモノを用意してくれていたのだよ!私は嬉しさのあまりに、着てみたい!そして着てみたい!そう思って着てみようと思ったんだが、これは全くわからない!どうしたらいいんだい、ワイルドくん!」
そう言うキースの格好は、形こそ浴衣を着ている、だが帯もマトモに縛れてなくてどこか何かが違う。それはもう、決定的に着てるというか、着れてないというか、羽織ってる、だ。
「あーもう、こっちこい」
見てられないなぁ、と苦笑を浮かべて虎徹は立ち上がり、おいでおいでとキースを手招きすると、言われた通りにキースは虎徹の方に行き、虎徹に向き合った。
作品名:THE SPEAK OF MY HEARTS! 作家名:いちき