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スピカ@黒桜
スピカ@黒桜
novelistID. 28069
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君の温かさ

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寒い・・・・」

ヒュウと吹く北風が身にしみる

ロヴィーノの家はたしかに地中海に面した温暖な気候だが

どうがんばっても冬は寒いものだ

「アイツまだかよ、遅いぞ・・・」

たしかに今日のこの時刻にここに来る約束だった

しかしその約束を交わした当の本人がいない

いったん家に帰って連絡をとろうか、と思い歩きだした瞬間

「ロヴィ遅れてほんまごめんなー」

のんきな声がした

「お、遅いんだぞコノヤロー」

一瞬、目頭が熱くなりツンとしたものが鼻の奥にこみあげてきた

「許したってな〜雪のせいで足止めされてんって」

「オレは寒くて死にそうだぞ」

「親分の力であっためてやろか?」

そう言うなりギュウっと抱きしめられた

「痛い」

「ロヴィ、お前反応それだけなんか?」

「・・・Grazie」

少し口調がすね気味だ

「菊から教わったけどそれツンデレってやつらしいぞ〜」

「オレがツンデレならトーニョは鈍感だぞ」

ボソリとつぶやく

「なんか言ったか?」

「なんでもないぞコノヤロー」


寒い冬もこれならいいかもしれない
作品名:君の温かさ 作家名:スピカ@黒桜