君の温かさ
ヒュウと吹く北風が身にしみる
ロヴィーノの家はたしかに地中海に面した温暖な気候だが
どうがんばっても冬は寒いものだ
「アイツまだかよ、遅いぞ・・・」
たしかに今日のこの時刻にここに来る約束だった
しかしその約束を交わした当の本人がいない
いったん家に帰って連絡をとろうか、と思い歩きだした瞬間
「ロヴィ遅れてほんまごめんなー」
のんきな声がした
「お、遅いんだぞコノヤロー」
一瞬、目頭が熱くなりツンとしたものが鼻の奥にこみあげてきた
「許したってな〜雪のせいで足止めされてんって」
「オレは寒くて死にそうだぞ」
「親分の力であっためてやろか?」
そう言うなりギュウっと抱きしめられた
「痛い」
「ロヴィ、お前反応それだけなんか?」
「・・・Grazie」
少し口調がすね気味だ
「菊から教わったけどそれツンデレってやつらしいぞ〜」
「オレがツンデレならトーニョは鈍感だぞ」
ボソリとつぶやく
「なんか言ったか?」
「なんでもないぞコノヤロー」
寒い冬もこれならいいかもしれない