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はろ☆どき
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novelistID. 27279
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本日はエドの日につき

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「今日はエドの日ね」
と、機械鎧の部品をいじりながら幼馴染みが唐突に呟いた。
「はあ?オレ誕生日は冬だぜ?」
「だ・か・ら!今日は8月10日でしょ」
どうやら語呂合わせだったようだ。
「きっと電話がかかってくるわよ、あの人から」
妙に断定的にウィンリィは言い切ると、あの人って誰だよというオレの突っ込みはまったくスルーしてうふふとにやけた笑いを浮かべた。
また得意の妄想とやらが始まったのだろうかとエドワードは俄に頭痛を覚えた。
こういうの乙女の思考っていうんだろうか?ついていけない。

だがー。あり得る話だとここで思い出す。
「ロイの日なのに電話のひとつもかけてくれないとは、君はなんて薄情なんだ」
と、6月1日に自ら電話をしてきて盛大に拗ねた男が約一名。
当然「自分でロイの日とかって言うな、きもっ」などと言ったらさらに拗ねまくって電話を切らせるのにえらく苦労した記憶もまだ新しい。
あいつのは女心を知っているというより自分が乙女思考なんだと、あの時思ったものである。
しかし乙女思考なんかでちゃかしているけど、その実理由がなければ電話のひとつもかけられない不器用な大人なんだってほんとうは知っている。
「理由なんかなくてもいつでも電話くらいしてきやがれ」と理由があっても電話のひとつもできない自分を棚に上げて思っている自分もたいがい乙女思考なんだけど。

そんなことを考えながら苦笑していると、遠くで電話の音がして。
「兄さん電話だよー」と下の階からアルの呼ぶ声が聞こえてきた。
誰からかなんて聞くまでもないだろう。
突き刺さるようなウィンリィの視線を感じながら精一杯ぶっきらぼうに「今いくー」と返事をすると、どうしても笑ってしまう口元を押さえながら階段をかけ降りた。

ほんとはとても嬉しくて。早くあいつの声が聞きたくて。
オレの日なんて、なんていい口実。