Plam2
風紀財団に就職した男の話
箇条書き
会話文
・入団!
「…以上を持って入団式を終了する。期待しているぞ。それから、最後にひとつ。
この施設内で、小柄で茶髪の青年を見かけても、見るな触るな構うな。好きにさせるように」
「押忍!」
・新入団員さんたちがやがや
「最後の…なんだったんだ?」
「さあな。もとより一筋縄ではいかないところだ」
「ここが…風紀財団」
「お前どこの部署だ?」
「わからん、が…………風紀財団副委員長殿の、直属らしい」
ザワっ!
どよめきが走る。まあ、そりゃな。しかし入団直後に草壁さんの側近ってかなり優秀。
・草壁が酸素
「副委員長」
「なんだ」
「委員長の、その制裁に耐える秘訣はなんですか」
「必要ない」
「は?!」
「耐える、なんて思わなくなる。どこまでもついていきたくなるさ」
「つ、つまり?」
「委員長からの制裁は、愛だ。そう体に叩き込め」
「押忍!」
・ちょっとした疑問
「あの人は、誰ですか」
「入団式の最後にいったはずだ」
「要人ですか」
「ドン・ボンゴレだ」
・案外
「この前の仕事、あいつの読みが的中したらしいぜ」
「へえ、よく凡ミスやらかして委員長に…たしなめられる割には…」
「意外と有能、なんだろうな」
・目撃した
「…哲さん」
「見なかったことにしろ」
「で、ですが」
「それがダメなら、見守れ」
委員長とハリネズミと小鳥の戯れ目撃。まさかのファンシー趣味に部下蒼白。
・なんだかんだで
「哲は」
「外出中です」
「なら、君でいいや。お茶」
副委員長の次あたりには、信頼があるらしい。
・そして
還暦を無事迎えた今日、私は、いやオレは。風紀財団に入団した損得を集計してみた。うん、なんの。なんの不満も欲求も言葉もない。オレの価値、オレの為したことが完全に調和された。今日、オレの人生はひとつ終わった。
だから、全部しまっておこう。なにもかも。そう我らが委員長が、結局最後まで結婚しなかったわけも、ね。
そりゃ、気付くさ。パラレルワールド飛ばされて、その際若干外見も変わったオレですが、超直感は健在だもの。なんてね。嘘。ここでもそうなんだって、知っただけ。というかなんで変わったんだろ外見。同一の存在は同じ世界にいられないから?なんて臨機応変。調和しすぎだろオレ。
まあ調和より、調子乗りすぎたかな。優秀?そりゃな、オレの考えていることくらいわかるよ。まあ、答えがわかってるテスト受けるのと同じだったわけだし。なんか本当ごめんなさいって感じです。
ああ。それにしても草壁さんがなあ…あんなこというなんてなあ…ふふ。もしかしたらライバルだったのかもね。どうせなら草壁さんに惚れたかったなあ。
ん?あ、呼んでる。もとの世界帰んのかな。つーか40年のタイムラグって正直、なんかいろいろ、いっそないほうが。帰らないほうがいいんじゃないのかな
・反則的童顔
「つまり?パラレルワールドに飛ばされて?そのパラレルワールドでは姿かたちも違って存在して?それで懲りもせず群れてたっていうんだね40年」
ばふん!と帰った元世界。姿も元通りのちんくしゃ+年の割には驚異的な若さ。そして目の前にいたのはうっつくしいおっさん。たぶん…元?…彼氏。攻撃された。間違いない。
「あー…まあ、八つ裂きは覚悟してるんで。もう本当」
そんな今さら何しに帰ってきたって頭のてっぺんから足の爪先まで。言ってる。それでも待ってたって、目からぽろんこぼれたのが言ってる。あんた、なにやってんの。やめてくれ。何度もぶっ殺してやりたいって思ったけど、あんたには本当はあったかいのだけあげたかったんだから。
だからさもう。
「ベッドへ行って救われましょうか」
40年振りのナニ、しようよ。オレのあなた。