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帝人選手権

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ある日の午後のこと

正「レディース エ~ンド ジェントルメンッ!!
ハイハイ!皆さんお待ちかねの時間がやって来ました!!」

帝「………ねぇ紀田くんどういうこと?」

正「おぉ!お目覚めかぁ。お姫様♪」

帝人はつい先程まで正臣と放課後の教室で話をしていたのだ。なのに今現在帝人は何処だか分からない場所の柱に太い縄で縛り付けられていた。
辺りはまだ暗く正臣のいる場所だけにスポットライトが当たっていた。

帝「………紀田くんとりあえず縄、ほどいてよ…」

正「ごめんなぁ…帝人。
お前が苦しむ姿は見たく無いんだが…いい加減ケリ着けなきゃいけないんだ……」

帝「……正臣?」

その瞬間一気に部屋の照明がついた。
急な照明の明かりに目を凝らしながら前を見ると目の前には見たくない光景が広がっていた。

帝「う……臨也さんに青葉君にし、静雄さんまで!!
どうしたんですか!?」

臨「いや~。ここに揃ってる皆はね、君の事が好きなんだよ。
だからね、君は誰のものになるのかって言うのをそろそろ決めないかって言う話になって…」

帝「は!?僕の気持ちは無視ですか!?」

青「いえ、先輩の気持ちは何時だって優先してますよ!俺は。
先輩、好きです!!だから、こんな奴等じゃなく俺を早く選んで下さい!!」

帝「M葉君五月蝿い!!」

青「先輩が怒ってくれた///」

帝「静雄さんもこんなバカなゲームに参加しなくてもいいんですよ」

静「いや…。俺も竜ヶ峰の事が好きだから…」

帝「し…静雄さん」

臨「え?どういうこと?なんでシズちゃんなんかにフラグがたってるの?」

杏「えっと…。司会が変わりまして園原杏里です……」

帝「えぇぇ!?園原さん!?なんで?」

杏「えっと……。この前紀田くんに色々と助けて頂いて…。そのときの恩をまだ返していないので……」

帝「いいんだよべつに。正臣なんだから!!」

正「おいおい、みかど~。どういうことだよ~。」

帝「正臣、ハウス!!」

正「えっ!?俺、犬!?」

杏「えっと…では、クイズに入ります…。お手元にあるフリップボードに皆さんは自分の答えを書いて下さい。最終的に正解数が一番多い方が帝人君とお付き合いする権利を貰えます…。
皆さん、準備は良いですか?」

帝人以外「はぁ~い!」

杏「それでは、第一問。帝人君のファーストキスは?」

帝「えぇぇぇ!そ、園原さん!?ちょっと、何言ってるの!?」

杏「え?……あの、読む台本にそう書いてあったので…。では皆さんお考え下さい。」

帝「いったいドコ情報……ん?情報…!?」

帝(あのストーカーかぁぁぁぁっ!!)

杏「えっと、では皆さんお手元のフリップボードを一斉にあげて下さい。では、左から一人ずつ理由などを述べていって下さい。」

正「じゃあ、俺からか?帝人のファーストキスは…ズバリ俺だぁ!!」

青「なっ!何いってるんですか!?俺ですよ!」

静「…いや、俺だろ…」

臨「……ふっ…君たち甘いね…。帝人君のファーストキスは…この」

杏「では、竜ヶ峰君に直接聞いてみましょう。」

臨「俺のセリフ!!」

帝「えっと……これ、言わなきゃ駄目なの……?」

杏「はい!」

帝(園原さんの笑顔が眩しすぎて怖いっ)

帝「えっと……。よ…幼稚園のとき、同じクラスだった女の子……」

帝人以外「っっ!!」

臨「これはどういうことかな?帝人君。」

帝「へ?臨也さんこっちに来ないで下さい!!」

帝(なんでこういう時に限って誰も助けてくれないの!?静雄さんは?何して……皆みてるよ!こっちガン見してるよ!)

臨「帝人君。詳しく教えてね☆」

帝(いやぁぁぁぁぁぁっ!)


こうして数々の問題がだされついに最終問題になった。

杏「それでは、最終問題に入ります。帝人君が今現在、恋をしている相手は?」

帝・杏以外「俺だぁぁぁぁ!!」

帝「皆、フリップボードは!?ルール無視!?」

杏「では、竜ヶ峰君。ここで左手を差し出して頭を下げている四人のうち一人の手を取って下さい。」

帝「いや、あの園原さん。縄、ほどい……て…!?
あれ?いつの間に切れたの!?」

杏「さっきから切れてましたよ。」

帝(そ、園原さん…笑顔が怖いよ…)

杏「それでは、誰を選びますか?」

帝「えっと……。ご、ごめんなさいっ!!」

そう言うと、帝人は勢いよく回れ右をして出口と思われる方へと走り去った。

臨「ふっ…帝人君、甘いね。」

帝「ひゃぁ!!臨也さん!!ちょっと、放して下さい!!」

臨「それじゃあ、皆、帝人君は貰って行くね☆」

静「いーざぁーやぁーくぅぅぅーんっ!竜ヶ峰を放しやがれ!!」

臨「ちょっと、シズちゃん。帝人君のことお姫様だっこしてるんだから手加減してよね!」



そんな何時もより騒がしい声と崩壊音が一日中池袋に響いていた。
作品名:帝人選手権 作家名:悠久