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【中身見本】Innocent World

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「こんな場面で笑えるなんてことできたら、僕はとっくに役者を志願しているさ」
「じゃあ、契約は反故にするつもりかい、ハリー?」
嫌味ったらしい声だ。

「そうやって、僕を脅すなよ。後ろは壁で後ずさって逃げることができないし、君はホモだし、僕はもう魔法界に帰りたくないんだ。どーすりゃいいんだよ?」
「だから、大人しく抱かれろよ。―――あっ、ちがった!四の五の言わずに、さっさと僕を抱けよ!」
「やりかたがー、わーかーらーなーいー……」
目元を潤ませて泣き声まで上げる始末だ。

「まったく!」
舌打ちしつつ、ドラコはハリーのももを挟むようにして相手の両ひざの上に跨り腰を下ろすと、向かい合うようにして座り込む。
「ほら」
と自分の胸を反らし、相手にそれを近づけた。

迫ってきた胸を見て、ハリーは意味が分からず、きょとんとした顔のままだ。
「―――いったい、なに?」
「なにじゃないだろ!僕のシャツのボタンを外すんだ。一個ずつ丁寧にな。まぁ……、途中で僕の裸に興奮して押し倒してのしかかってくるなら、それはそれで全然OKだから。僕は乱暴に扱われるもの、結構イケルくちなんだ……」
誘いかけるようにニヤッと笑う。

「興奮なんて……、そんなことには絶対になりませんから……」
しゅんとした仕草で、まるで罰ゲームを受けているように肩を落として、ハリーは相手のボタンをプチプチと外していく。
ため息をつきそうになるのを必死で押しとどめて、シャツの前を開いた。

(……貧乳でもここまでは平らではないはずだ)
ハリーは開かれた胸元を見て、再びショックを受ける。
(白い肌にピンク色の突起。……ああそれは見ようによっては、とてもいいかもしれない。相手が女の子だったらな……。でも現実は真っ平らで、薄く筋肉までのっているよ……。ううう……。)
しかしも目の前にいるのはヤローで、あのマルフォイだった。
へたらないわけがない。

(どーすりゃいいんだよ?)

「―――揉むの?掴むの?撫でればいいの?」
まるで指示を待つ素直な子犬のように、ハリーは大人しくドラコの胸を見つめながら、相手に尋ねてくる。そんな態度に半場呆れながら、ドラコは相手を見返した。
「お前はこういう場面じゃあ、相手とどんなことをしているんだ?おままごとでもしているのか?それともあの魔法界で聞いた数々の武勇伝は全くの嘘で、今でも君は立派な童貞なのか、ハリー?」

「男相手なら、立派な童貞だよっ!僕にはそのすべてが未知の世界で、泣きべそになって、震えているのが分からないのか?ぺったんこの胸なんか、自分の胸だけで十分だ……」
「そんなことはないさ、さぁ…こうすればいいから――」
ドラコにしてはかなり優しい仕草で相手の手を取ると、自分の胸へと導いていく。

触れた指先はかなり想像より柔らかい印象だ。指先がそこに触れるとその皮膚の薄さに、ハリーの声は余計に弱々しくなる。
「やわらかいよー。白いよー。きめまで細かいよー。手に吸い付くようだよー」
ううう…と、ハリーは再び情けない声を漏らした。

「だから一体全体、それがなんだよ、ハリー!手触りがよかったら、別にいいじゃないか?それとも逆に筋肉が割れていて、胸毛がぼうぼうの兄貴タイプがお好みだったのか?」
「ちがうよー、兄貴なんか死んでもイヤだよー。勘弁してくれよー。ドラコの場合は触っても気持ちいいから、困るんだよー。男相手に気持ちよくなんかなりたくないんだよー」

「でもこれからもっとすごいことをするんだから、やっぱり気持ちのいいほうがいいだろ?」
(うっ!)とハリーは一瞬、言葉に詰まった。
顔全体から冷や汗がどっと噴出し、ドラコをすがるような瞳で見つめる。

「ぼっ…、僕は君とすごいことなんか、したくない」
「契約反故か?決裂させるのか?」
「それは勘弁してくれよ」
「だったら諦めろ」
「ああまったく!本当に君はドSだよ!サドめっ!」
「……まあ、僕はそーいう行為も大好きだけどね、今回は遠慮しておくよ。初心者の君にいきなりそのプレイはキツイからな。怪我をしたら大変だし。残念だけど…」
それを思い出したのか、ドラコは形のいい舌でぺろりと自分の上唇をなめる。
かなりいやらしいその仕草に、ハリーは冷や汗を浮かべながらも真っ赤になった。

「さぁー……。ハリー……」
じれて続きを促されるように、ドラコはからだを寄せてきた。
「さぁって言われてもなぁ……」
ハリーは自信なさげに手を広げて相手の胸を掴み、もみ上げようとしたがうまくつかめない。
その胸にはやわらかな乳房もなければ、余分な肉までないので、ちっとも自分の手のひらに納まらない。

(――ええっ?あ……、あれ?つかめないぞ。どうすりゃいいんだ?)
ハリーはそれでも必死でそれを自分の手の中に掴もうとする。
まずそうしなければ何事も始まらないという感じで、ドラコの胸元をまさぐり、指を動かした。
確かにその白い肌はシミひとつなくきれいだし、手に吸い付いてくるようだ。
脇から中央に寄せるように何度も撫でさする。

「はぁ……、んっん――」
ドラコが湿ったため息をつく。
その声に顔を上げると切なそうな表情のままに、ドラコは少し呼吸を早めていた。
胸元を下から上へと持ち上げるように撫でていくと、ドラコはその動きに合わせるように少し引きつったように息を吸い込み、放すとホーッと深いため息を漏らすのだ。

「―――イイの?」
軽く尋ねると、ドラコはうっすらと閉じていたまぶたを開いて、うなずくように瞬きをした。

「―――へぇ……、そうなんだ……」
その言葉を聞いてハリーの口元に嬉しそうな、くすぐったい笑みが浮かぶ。
例え相手がドラコであっても、自分のしている行為に満足そうな顔で同意されたら、ハリーだって男だ。俄然、張り切ってしまうというものだ。

持ち前の探究心と好奇心がむくむくと頭を持ち上げてきた。


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3話目の途中までです。ここからR-18指定になります。
続きは同人誌にて。

作品名:【中身見本】Innocent World 作家名:sabure