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【中身見本】Beans

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【Beans】の中の短編 『Room of requlrement』

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「……ああなんてきれいな顔。シミや日焼け、ホクロのひとつもないじゃないか。真っ白い肌に、苦労知らずのきれいな指先。家柄も最上級で、貴族で、お金持ちで顔がいいって?!―――ハッ!」
翠の瞳が眇められ、少し伸びた爪先でガリッと皮膚を抉られる。

「あっ!イタ……ッ」
思わず上げた声を聞き、心地よさそうにハリーは微笑んだ。
「ああ……。とってもいい声だよ、ドラコ。君の悲鳴は、とってもイイ………」
何度も頷く。

「本当に素敵だよ。だからお礼にイイモノを上げるね。君は甘いものが好きだっけ?生クリームは好き?」
にやにやと気味の悪い表情で嗤い尋ねた。
何も答えずにいると、相手はまるで一人芝居のように勝手に先へと話を進めていく。
「うん、そうだよね。ケーキの上に乗っているホイップクリームは甘くておいしいよね。今日はドラコのためにそれを用意したんだ。―――特別にね」

ハリーの手が優しく僕のあごをつかむ。
「―――さぁ、口を開いてみて、ドラコ。ご褒美をあげるよ」
楽しげな声が部屋に響いた。
ごそごそとポケットを漁り、中から取り出したのは手の平くらいの長さのチューブだった。
真っ白いものが詰まったものが、目の前に差し出される。

「とてもおいしい甘いホイップだよ……」
クスクスという楽しげな声。明るい表情に暝い瞳で笑う。
『甘いホイップクリーム』など、絶対にハリーが自分に差し出すはずがなかった。
その違和感に頑なに唇を引き結んで拒否すると、あごの両側をギュッと力任せに押さえられた。

細い指なのにその力は尋常ではない。
ギシリと噛み合わせの部分の骨が痛んだ。
(ああっ!)
悲鳴が出そうなのを必死で押し込める。
自分の苦痛は相手の悦びにしかならないからだ。

あまりの痛さにしぶしぶと顔を上げて小さく口を開くと、ハリーは僕の下唇に指をかけて容赦なく下へと引っ張る。
その大きく開いた口に、白いクリーム状のものが流し込まれた。
ニュルニュルと白いものが舌の上に、さらに口の奥へと注ぎこまれていく。

「ひっ……!」
口腔内に痺れるような苦さが広がっていった。
舌が痙攣し、それを吐き出そうと小さく動く。

(イヤだ。やめてくれ……)

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3本入りの書き下ろしの小説の途中抜粋です。愛を求めないふたり。
続きは同人誌にて。
作品名:【中身見本】Beans 作家名:sabure