APHで海賊パロ1
船から降り立った青年―菊が思わずつぶやいた
故郷の東の国とは全く違う風景だ
「それにしても、これからどうしましょう?」
少し小首をかしげる
「全く、耀さんときたら船の切符を手に入れたはいいのですがその先のことを考えないなんて・・・」
つまり菊は船に乗り異国の地に来たはいいがここから先のあてがないらしい
「まあ宿ぐらいはあるでしょうし、今日は休みましょう」
そう自分に言い聞かせるようにつぶやくと菊は歩き出した
「宿・・・ないですね?」
町の中を歩き回ってみたが宿らしきものが見当たらない
「本当に大丈夫なんでしょうか」
フゥとため息をつき近くにあったベンチに座り込む
「このままだと野宿に・・・何の用意もしてないのですが」
悪い予感が胸をよぎる
「私、ちゃんと帰れるんでしょうか・・・?」
故郷の風景や家族を思い出し鼻の奥がツンとする
その時
「お前、大丈夫か?」
可愛らしい声がした
ふと伏せていた顔を上げると
ちょうど十歳ぐらいの金髪碧眼の少年が心配そうにこちらをうかがっていた
「だ、大丈夫ですっ」
「そうか!お前、名前はなんていうんだ?」
「名前・・・ですか?私は菊といいます」
「菊、か!よし覚えたぞ!オレはアルフレッド!アルって呼んでくれよな!」
「アル君ですね。」
「菊はどこから来たんだ?西の国じゃない・・・よな?」
「私は遠い東の国から来ました。医学の勉強のためにこの西の国に来たのですが行くあてもなく・・・」
「行くところがないのか?」
「ええまあ・・・」
「ならオレの家に来いよ!みんな大歓迎だぞ!」
「え?」