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novelistID. 27579
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君と僕とイシ

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縊死した石の、意思と意志。
それら遺志の、向かう先は。



君と僕とイシ





身体が怠い。ずくん、ずくんとコアメダルのヒビが疼くような鈍痛を訴える。残ったメダルにすらヒビが入ってしまい、いつ砕けてもおかしくない。
「っ、痛ぅ……」
周期的に、襲う痛み。まるで、拍動しているかのようだ。
「……は、皮肉だな……壊れかけて初めて、生きてるような気になれる、なんて」
苦しい。
動いた後だからか、身体が凄く疲れている。眠りたい。
しかし、いま目を閉じてしまったら、二度と目覚めなくなってしまいそうで。

アンク。
少し休め。無茶すると、身体が保たないぞ。

「うるせぇ……なんで、てめえの意識が、出て来るんだ……」

誰の身体だと思ってるんだ。
お前が、それだけ弱ってるってことだろ?いいから休め。

「断る。眠っている間に、あんたに好き勝手されちゃ堪らないからな」

……どうして、命が欲しいなんて思ってしまったんだ?
君は、グリードだ。メダルさえ砕かれなければ、永遠に生き続けられる。
人間の永久の夢である、無限の命を捨てるってことだぞ?

「は、解ってねえな。コアメダルなんて言ったって、所詮は石ころなんだよ。永遠に生き続けられる?ふざけんな。永遠に『生きてるフリ』をさせられるだけだ。それがどんな気分か、グリードでもなければグリードになったこともないあんたにゃ解んねぇだろうけどな」

『生きる』ってことは、『死ぬ』ってことだぞ。

「あ?」

『生きている』と『死んでいる』はまるで反対の意味だろう。だけど『生きる』と『死ぬ』は同義語なんだ。

「解せねえな。生きるってことは世界を感じることで、死ぬってことは世界を感じられなくなることだ。そこに、何故同義が生まれる?」

どちらも、死に向かって進んでいるってことさ。

「やっぱり、あんたと俺じゃ馬が合わねえみたいだな。俺はそう思えねえ」

なら、『生き急ぐ』と『死に急ぐ』はなぜ同じ意味なんだ?

「俺が、知るか。初めから、生きてなんかいない俺が」

……

「俺の思いも、志(ねが)いも、人間にしてみりゃ解んねぇことだらけだろうさ」

僕は、むしろグリードに生まれれば良かったかもな。
君は、コアメダルなんて所詮は石ころだと言ったが、僕にとっては最高の理想だと思うんだ。

「……」

昔の人々は、大切な、伝えたいことは石に刻んだ。そこに、恒久を見出したから。伝えたいことを遺して伝えられる石になれるなら、僕はグリードでいい。

「自分が死んだあとのことなんか、知ったことじゃねえ。俺は今、伝えたいことを全身で伝えたい。あいつの世界を、全身で受け止めてみたい。そのためには、同じ命を持ちたい」

命を希うあまり、息が出来なくなってもかい?
君の抱くその感情は、間違いなく君を絞め殺すよ。それでも、君は命を、彼を希うのか?

「死ねるってなら本望さ。そもそも生きてすらない俺だ。命を感じさせてくれるのは」

人はその感情を、『狂おしいほど愛してる』と言うんだよ。

「エイジ、お前しかいないんだよ」