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BLIND

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お前はその瞳で何を視ているのか?
誰を瞳に映しているのか?
お前はその蒼天の様に煌く瞳で何を映しているのか?
お前はその瞳に映していいのは・・・・
俺だけだ・・・

・・・もう、無理だけど。


「あっ・・・ああああああああ!!!!っ・・・・ああああぁぁぁ・・ぐっ・・・」

ヴェストの綺麗な瞳を抉りだしたら、ヴェストは泣き叫んだ。

空洞化した瞳
流れる血涙

空洞化と化した瞳から可哀想な位涙と血が零れ落ちる。

「にぃ・・・さぁん・・・っ・・・ゥ、っどうし・・・て?」

ヴェストは視えない瞳で俺を視た。
・・・相変わらず、泣いてるヴェストも可愛い。
もっと酷い事をしたくなる。
この事を嗜虐心というのだろうか?
まぁ、それは置いといて、
ヴェストには俺だけしかいない。
今現在ヴェストの頭の中には俺でいっぱい。
そう考えると笑いが止まらなかった。

「どうしって。って・・・ねぇ・・・ヴェスト・・・わかんねぇのか?」

(ある意味お前自身ヴェストのせいだよ)

俺はヴェストの空洞化した瞳から流れる血涙を舌で拭った。
舐め心地が最高!!

「っ・・・あぁぁぁ・・・やっ・・・めろ・・・、はぁ・・・あ・・・」

反応も可愛い。
この苦悶に満ちる表情も可愛い。
なんつーか・・・
嗜虐心が湧き出てくる。

コイツを目茶苦茶にしたい、壊したいという願望をどうにか理性で抑えている。
弟想いのいい兄貴だろ!!
讃えてもいいぜ!

「てか・・・まぁー・・・お前は他のモノを瞳に映しすぎるんだよ。
特に・・・フェリちゃん・・・いつもベタベタして・・・・
俺様のヴェストなのに・・・。
・・・お前の瞳に写るのは俺だけで十分・・・そうだろ?
なぁ・・・・ルートヴィッヒ?」
 
ヴェストは、俺の素晴らしい愛の語り?など聴いていない。
両手で空洞化した瞳を覆い、痛みに泣き叫んでいる。
 
流れる血と涙は止まらない。


「っああああああ!!!!!!!!」


痛みに叫んでるヴェストは・・・・

とても、綺麗だった。

そして


何よりも美しかった・・・
「ハァ・・・ハァ・・・・・・にっ、にぃさんは・・・狂ってる」


ヴェストは空洞化した瞳を手で覆いながら声を震わせて小さく呟いた。

「狂ってる・・・?いや・・・
狂ってるのは俺以外を写すこの眼球だ・・・!!
ああ・・・・・・・! 
怖いのか・・・!!??
ハハッ・・・何も視えないか!?
・・・・・・・・・・・・・まぁ、ヴェストが俺を視る事が出来ないのは
国としての人生の堕落と言っても過言でもない。
だが、これからは、お前を・・・ヴェストを独占できるし・・・
まぁ、いいか・・・
なぁ!お前も嬉しいだろ?
何てたってこの俺様とずっーーーーーーと二人っきりだもんなぁ!!
俺は嬉しい。
お前もそうだろ・・・?」

俺は優しく愛しい愛しい愛しい愛しい愛弟の背中を擦った。
愛しい愛しいヴェストはビクッと背中を震わせ、歯軋りで俺への反逆の意を見せた。
己の感情を最大限に表すヴェスト。

・・・中々の見物だ。


「っ・・・さわる・・・・な・・・・ぁ・・・・!!」

「ハハッ・・・触るなぁ?・・・おいヴェスト・・・?・・・」

「っ・・・・・!!」


「大概にしろ。ヴェスト。手足あるだけ幸せと思え?
本当はな、お前が何処にも行かないように
お前の両手両足を切り落とすつもりだったんだよ。
でも、そんな事したら俺とお前が愛し合う時に俺が一方的になっちゃうからな・・・!!
それに・・・・
ヴェストが作るホットケーキも食べれなくなるしな。」



「・・・狂った・・・か・・・ハァ・・・
にい、さんの、・・・・精神を・・・・ッぐぁ・・・
ハァハァ・・・・・っ非常に案ず、る。」

軽口を叩ける程に痛みはまぁ・・・・退化?
いや、麻痺したか。

ヴェストにゃ、俺に心身共々服従して貰わないと
いけない。

俺はヴェストを愛してるから
お前を深く深く愛するから

お前も俺に応えるべきだ。

「っ・・・!ぐ・・・!!」

ヴェストが痛みに呻いた。
まぁ・・・俺が心痛いが愛しいヴェストの美しい顔を
・・・蹴り飛ばしたが故なんだけども・・・




「さて、と・・・」

プロイセンはルートヴィッヒの耳元で静かに宣言した。


「我が愛しのドイツ帝国よ・・・
我がプロイセン王国はドイツ帝国の前身である
ルートヴィッヒを籠い、
永久に護り続けよう。そして、
貴方だけに愛を深く捧げましょう。」




これからの二人だけの生活を想像し
幸せそうに笑い、ルートヴィッヒの血に濡れた唇に
己の唇を重ねた。
ルートヴィッヒは成す術もなく唯、
兄からの無理矢理な口付けを享受する事しか出来なかった。

殺意に満ち足りた日々は幕を開き
純粋な愛に満ち溢れた日々は幕を閉じた。



ルートヴィッヒの一滴の涙が混沌と化した部屋に堕ちた・・・・












嗚呼、私は貴方の欲望を埋める玩具でしかない

貴方は私の偏愛者・・・







視えない・・・
何も視えない・・・・・・

行き過ぎた愛情は憎しみに変わる。
行き過ぎた愛情は殺意に変わる。

光が欲しい
灯が欲しい

以前の様な幸せな日々が欲しい
以前の様に優しい笑顔が見たい



・・・なぁ・・・
兄さん・・・・

俺達は何処で間違えたんだ?
作品名:BLIND 作家名:blood1127