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Like a dog 2

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強張った表情のまま見下ろすと、茶色の子犬はドラコの腕や手を楽しそうに舐め続けていた。
目の前にいるのはかわいい犬でも、実際はあのハリーが変身したものだということをやっとドラコは思い出した。
(……プレゼントは蜂蜜で、それを垂らすのか。それを舐めるつもりだったりか、もしかして?しかもご丁寧に相手は犬だし!!)

一瞬にしてカッと頭に血が上った。
(コイツはかわいい子犬じゃないし、ただのハリーだっ!)
思っただけで胸がムカムカしてくる。

「下品なこと思いつくなんて!貴様は最低だなっ!」
鋭く言い放って、相手を自分の上から叩き落とそうとした。

ドラコの手が相手の毛深い胴を叩き、そのショックで犬は驚いたようにギャンと高く声を出す。
相手のパジャマの上から足を滑らし、床へと容赦なく落ちた。
また、悲鳴のような声を出して、何度か体を振るわせる。
犬は猫のように咄嗟には受身の条件反射が取れることが出来ないので、背中を打った痛さも相当なものかもしれない。

あまりにもそれが可哀想に見えたので手を伸ばそうとしたら、手に持っていた瓶と、苦痛のあまりジタバタと足かせをしていた子犬の前足が当たった。
ゴンという鈍い音と共に瓶が床に落ちて転がり、中身が四方へと飛び散る。
その飛沫は近くにいた犬の体全体にたっぷりと降りかかり、しかも隣のドラコの足や俯いた顔、胸元にもべったりと甘ったるいシミが付いた。

一瞬にしてお互いの体が蜂蜜だらけになった姿に、困ったように一人と一匹は顔を見合わせる。
もうとっくに消灯の時間は過ぎていた。

(―――これをいったいどうするつもりだ?)

            
                       ■続く■
作品名:Like a dog 2 作家名:sabure