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仮面を被るのは、知られたくないから　山菜コンビ

「また戦いに行くのか？」
「ああ、」
「帰ってきたらまたぶん殴ってやるから楽しみにしてろ」
「死ねサディク」
ツッと腕に走った痛みは猫の爪によるものだろう
「痛ぇ！こんの餓鬼！」
バッとマントを翻し少年の姿を探す
「お前なんか帰ってこなければいいんだ」
ムスッとした声
「フン、楽しみに待ってろ」
「・・・やっぱりお前は俺が倒すから生きて帰ってこい」
これが本音かと思うと胸が痛んだ
「お前みたいな餓鬼にやられてたまるか」
そう言いながら癖の強い髪をグシャグシャと撫でる
「痛い」
「まあな」
「約束、また帰ってこい」
「へん、俺ぁ約束は破らねぇ主義なんだ」
ソッと仮面をつけた
「じゃあ行ってくるな」
少しだけ悲しそうな猫の声が聞こえた

仮面を被るのは、知られたくないから　
　　　　　　　　　　　　　　　　―――涙なんか見せたらお終いだってんだ。