ポインセチア
「それって変じゃない?
あんたは自分のことだけ考えて生きてるはずなのに、
私の心配なんかしてくれるわけ?」
疑心に満ちたさやかの言葉に、一瞬固まる。
一息ついて、アタシはさやかをじっ、と見つめながら口を開いた。
「アンタもアタシと同じ間違いから始まった
これ以上後悔するような生き方を続けるべきじゃない」
そんな大層なことを言ったけれど、
本当は違う。
似てるんだ、さやかは。
まっすぐで留まることを知らない蒼い目も、さらさらの髪も。
全部・・・智也に似てるから、放っておけないんだ。
今度は助けたいっていうアタシのただの自己満足。
智也を救えなかった責任を・・・後悔をさやかで晴らそうとしてるだけ。
あは・・はははは!
やっぱりアタシは「人の心を惑わす魔女」なのかもしれない。
だけど、だけど・・・・
今度だけは、
それでも助けたいんだ。