with xxx
「あらき、さん」
「ん」
そ、と瞼に落ちる唇。それから頬に。
たどたどしい、幼い口付けに同じように返す。
駆のキスは幼くて甘い。
経験なんてオレよりないのに、そのくせ一丁前に男の顔でオレの心臓を跳ねさせる。
――でも一瞬だけ。
「っ……」
ぐ、と肩に食い込む指。
今オレを独占してるのはお前なのに何に嫉妬してるんだと言いたくなるほどの力。
オレがその正体を気付いてることに、多分駆も気付いてる。
(傑。ちゃんとお前だって、分かってるよ)
全く、いつまで経ってもお前はお前だよな、なんて。
あぁでも、生きてた頃より少しワガママになったかな?
口に出しはしないけど、ただ意識の戻った駆と緩く笑う。
そうやって、オレたちは確かに「三人」で付き合っている。
オレが知らないと思ってるらしい傑がいつ事実に気が付くか。
今のところオレと駆の密かな楽しみだ。
Fin.
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満天星さまお誕生日おめでとうございます!
駆荒で傑荒というイロモノでお祝いになるのかと思いつつ、昨夜のツイートを見ていたら、つい(笑)
11.06.14 加築せらの 拝