Who?
ヒューズ宅にて、
カイン邸焼失事件の記事を読むヒューズ。
眉間には深い深い皺が寄っている。
「ったくお前等はやることが派手過ぎるんだ!!」
「悪いな、何しろ久しぶりで加減がな。」
「俺は悪くないもん。」
ヒューズは持っていた新聞をもみくちゃにする。
ロイは反省してるのかしていないのか、指パッチンの練習をしている。
その横に座るエドワードはアップルパイを頬張っている。
「はぁ・・・ったく、事後処理する俺の身にもなれってんだ。」
「悪かったな。」
「ごめん、ヒューズさん…」
「いや、エドは悪くないぞ。 悪いのはこのくそ馬鹿野郎だ。
ったく、どんだけ心配してきたと思ってるんだ。」
「・・・・・悪かった。」
「エドからの連絡が入った時は俺も驚いた。
そのまますぐにお前に知らせようと思ったんだがな…
エドは殺し屋になっちまったお前のことも知ってて、ロイを正気に戻すってな。」
「エドワード…」
「俺、最初記憶が無くてさ…
全部忘れてたんだけど、ある日たまたま思い出したんだ。
だけど、俺は動けない状態だったから調べてもらったら俺死んでるし、ロイ壊れてるし…」
「・・・・・・」
「すげーショックだったんだからな。」
「悪かったエド…」
「だから、命かけた。殺せるもんなら殺してみろってな。」
「だが、お前さんはのんびりまったり暮らし始めちまうから、
ちょっと目を覚まさせるために電話したってわけだな。」
「ちょっといじめ過ぎたかなとは思ったけど、俺は信じてたぜ。」
「すまなかった…」
「ロイ、もういいよ。」
エドワードは隣に座るロイを横から優しく抱きしめた。
ロイもその腕に手を触れエドワードの頭に顔をのせる。
「エド…」
「ん?」
エドワードが顔を上げ、ロイはキスをしようと顔を近づける。
ロイが目を閉じ、エドワードも目を閉じる。
が、
「ちょーーーっと待て。」
「ちっ」
「・・・///」
「舌打ちしたな!!? 今、舌打ちしやがったな!!!?」
「何が悪い。」
「悪いに決まってるだろうがーーー!!
大事な大事なエリシアちゃんに変なもん見せるなぁーー!!!!!」
「変なもんだと!!?」
ヒューズが立ち上がり、ロイも立ち上がる。
珍しくロイがヒューズの挑発に乗った。
だが、その顔は言葉とは裏腹に楽しそうだった。
ロイの生きた顔だった。
「エリシアちゃん、あっちで遊ぼうぜ」
「うん!!」
「エドお兄ちゃん、ロイおじさんが好きなの?」
「あぁ死ぬほど大好き。」
end