幸せからの欲望
お前は俺のことが好きだよな?
じゃあ、なんでお前は、アルの元に居るんだ?
俺たちは愛し合っていた。それを壊したアイツに・・・
なんで、笑顔を見せるんだ? なんで、いつも一緒にいるんだ? なんで、アイツにあんな愛おしそうな顔をするんだ?
俺には、あんな顔したことないくせに・・・・・
「菊・・・・・・・・。」
おれは、誰もいない部屋で小さくつぶやいた。
言葉は、静けさに飲み込まれていった。
耳を裂くような静かさ。
まるで、今の自分に問いかけているようだ・・・・・・。
「これでいいのか?」と。
口を噛む。口の中はほのかに鉄の味がした。
なぜ、俺の隣にはお前が居なくて、奴の隣にはお前がいるのか?
お前は、俺のなのに・・・・・・
あるべきものには、あるべき場所にあるべきだよな?
(幸せからの欲望)
お前が好きだよ。