無題
なんですか?ベルゼブブさん。
キスをしてほしいのです。
ええ、今ですか?
はい。今がいいのです。もちろんアレはあなたと付き合ってから
口にしていません。だから、いいでしょう?
ほら、と促せば仕方ないですねと苦笑して段々と顔が近付く。
ふわりと甘いさくまさんの香りが鼻を掠めてくらりとする。
目を瞑れば一瞬触れてすぐ離れたぬくもり。
さくまさん、何故頬なのですか。
い、いいじゃないですか。キスはキス、ですよ。
ちらりと横目でみれば頬を桜色に染め顔をそむけるさくまさんの姿。
・・・まあ、それはそうですけどね。というか、
そこは口にしろよ空気よめこんのビチクソ女!なんて心の中で
悪態つくが触れたところがまだ熱くて口元が緩みそうになる。
あ、そういえばイケニエがまだでしたね!すぐ作るんで
ちょっと待っていてください。
逃げるようにそそくさとたちあがり台所に向かうさくまさん。
少し進んだところでくるりと後ろをむいて
・・・え?
っじゃあ、カレー作るんで!
今度こそ早足で台所にきえるさくまさん。
ただいまー!ったくほんとアクタベはんは悪魔づかい荒いわ。もう実家にかえらせてもらいます!ってあれ、どしたんべーやん。顔あかいで?
~っ!気のせいですよ。
えー、なあさくちゃ~んべーやん顔あかくない?なあな、へぶっ!!
(・・・あれは反則ですよ、さくまさん。)