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朝起きたらあの子が泣いていた。

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朝起きたらあの子が泣いていた。

驚いた私は文字通り跳び起きて細いその体を抱きしめてやった。

あやすようにその小さな背を優しく叩いてやると、あの子はようやく泣き止んだ。

そして、先ほどまで見ていたという夢の話をしてくれた。

途中つっかかりながらも一生懸命話すあの子がとても愛しい。

話を聞き終わった後、私の胸にはあの子への同情と、夢の中の自分への怒りが湧き上がっていた。

何故、あの子を悲しませるような事をしたのか。

何故、あの子を置いていったのか。

夢の中に腹を立てても仕方ないのはわかっているが、夢というのは、その人の深層心理を映していると聞く。

しかしそもそも、私があの子を置いて死ぬなんて事はあり得ないのだ。

あの子がいて初めて、私が存在するのだから。

目を真っ赤に泣きはらし私に縋り付いてくるあの子にそう伝えてやると、いつもの花のような微笑みで「ありがとう」と言うのだ。

ああ、私の子よ。

その笑顔のために、私は生きよう。

心配しなくてもいい。

私はいつでも、お前の側で、お前を守ろう。