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人と違う彼の話

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柳蓮二は特殊な人間だ、少し変わっている。
男で、男の俺に愛を囁くし俺を抱こうとする俺にそんな気は無いと言うと泣くし。ダダをこねる。
部活の面々の前では必要以上に喋らん男が俺と二人になると面白いほどよく喋った。
お前は人が好きか?女が好き?男は?俺の事は好きか?次々に出てくる言葉がリズムよく俺の耳に飲み込まれていく。
少しズレた男だ、夕方の公園で大の男数人が倒れてその中に蓮二がぽつんと立っていた所を見た事もあった、駆け寄ってどうしたのだと聞くと絡んできたんだ。と言い訳のように呟いてしゃがみ込んでしまった。
ベンチに座らせて落ち着くようにと自動販売機でお茶を買って蓮二に渡すと両手でつかんでありがとうと静かに笑う。
「お前が喧嘩が強いとわな。」
「たいした事はしていない、」
どんな事をしてこの男共をのしたのかは聞く気はない、蓮二の声も「それ以上聞くな」と言っているようだった。俺は沈黙の中で蓮二と少し距離を置いてベンチに座った。
「何故、人を殺してはダメなんだ、人間は動物や虫を殺すだろ」
「・・・」
「お茶、飲む。」
俺が答えに困っている事を解っていてこいつはそんな質問をする。
うつろに開いた目が自分でのした男たちを見つめて動かない。俺は下を向くだけで他何も言い返せずにいた。
(子供の頃に訊いた事があった)
「お前も飲むか?」
渡されたお茶を受け取る。

少なくとも、コイツは今。
子供の頃の俺と同じ質問をしている。










当たり前のことがあふれている世界で。





END
作品名:人と違う彼の話 作家名:Rg