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ルック・湊(ルク主)

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「ちょ、ちょっとルック!な、何!?」
「・・・何、じゃないだろ。君、怪我、してるだろ。」
「え?な、なんで。」
「隠してもバレるんだよ。なんですぐに言わないんだ。」
「い、言わない、ていうか、後で自分で手当てしようと思って・・・。」
「なぜ医務室に行かない!?」
「僕は・・・そんな大した傷じゃないし・・・。他のもっと怪我を負っている人を優先して欲しいだけで。」
「っまったく!君は軍主なんだよ?分かってるの?大した事ないって、それでももし何か、君に何かあれば、どれほどの人が恐れ、悲しむと思ってるの!?」
「・・・ごめん・・・。」

湊が俯くと、まだ何か言おうとしていたルックは口を閉じ、ため息をついた。

「・・・ほら、見せて。僕が手当てするから。」
「・・・うん。ありがとう、ルック。」
「湊っ。」

バァン、と扉が開く音がした。服を肌蹴て背中をルックに向けていた湊が振り返ると、ナナミが何とも言えない顔をして立っていた。

「・・・ナナミ・・・?」
「・・・怪我・・・やっぱしてるっ。」

ルックも振り返ってナナミを見た。

「それ、戦ってるとき、あたしをかばった時に出来た傷でしょ・・・?」

ナナミが湊の背中の傷を見て言った。

「あ、いや、違うよ、ナナミ。これは、違う。ナナミかばって、怪我なんてしてないよ。」
「・・・。」
「ナナミ。これは別の時に出来た傷だ。あんたは関係ない。それに見た目より大した事、ないよ。僕が紋章使って治しておく。」

ルックが淡々と言った。優しさのかけらもないような言い方だというのに、なぜかその言葉は暖かく感じた。

「・・・あり、がと。・・・ルック君。痕、残らない・・・?」
「さあ、ね。別に残っても湊は男だ。問題ない。」
「ルック君もそんな傷いっぱいの湊でも嫌じゃない?」
「ちょ、ナナミ、何聞いて・・・」
「全然。むしろ愛しいね。ほら、もういいだろ。治療するから、あんたはもう出てって。」

サラっと言ってのけたセリフに、湊だけでなく、ナナミまでほんのり赤くなる。

「っえっと、ナナミ。後で少し散歩、しようよ。前は王国軍がいて、あまり見れてなかったし。」
「うんっ。じゃあ、後で、ね。」

ナナミはとりあえずホッとしたように出て行った。

「ありがとう、ナナミじゃないって言ってくれて。」
「そうでも言わないとあの子キャンキャン煩いから、それだけだよ。」
「あはは。・・・それにしても・・・ルックって・・・たまにけっこう言うよね・・・?」
「・・・うるさい。ほら、沁みる薬塗ってやる。」
「え!?ちょ、ま、待って!『いやしの風』じゃないの!?何もわざわざ沁みるやつじゃなくてもっ・・・っいったーーーーーぁ。」
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ