ルック・湊(ルク主)
翌日。
「おはよールック。なんか昨日、僕知らないうちに寝ちゃってて・・・ルックとおしゃべりとか出来てたっけ?」
さわやかな笑顔で湊が言ってのけた。
「・・・は?・・・えっと。昨日の事、何も覚えてない訳?」
「何かあった?うんーごめん、その、覚えてない。ごめんね?えっと、何喋ったんだろ。聞いてもいい?」
そういえば昔とある宿屋で酔っぱらった時も、その時の事はまったく覚えてなかったっけ。
「いや、特に大したことは。・・・ああ、そうだ。関係ないんだけど、1つだけ、聞いてもいいかな。」
「うん、なぁに?」
「その・・・君は、たまには僕に・・・えっと、入れたい、とか、今でも思ってる?」
「え!?な、なんで?あーそういえば昔そんな事言ってたねー。うーん。別にいい。あの時は好奇心もあってそんな事言ってたけどさ。僕はルック相手なら、今のままがいい。」
湊はびっくりしていたが、ニッコリと素直に答えた。
その様子に嘘はなさそうだ。やっぱり昨日のは、酔っぱらった挙句の行動だったらしい。
だが少しでも「男らしさ」などを気にしているなら、とルックはまた昨日言った事を口にした。
「そう、か。ちなみに僕はちゃんと君の事、男性だと思ってるから。」
「は?ほんとどうしたの?ルック。別に僕は自分が男か女かなんて疑問に思った事、ないよー?」
・・・ほんっとに君は!
ルックは少し頬をひきつらせ思った。湊はやはり湊だった。昔からほんとそういう事に無頓着な。
やっぱりこの子、酔うとあいかわらずろくでもないな、とルックは後でシュウに更に飲酒に関して念押ししておこう、と心に誓った。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ