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ルック・湊(ルク主)

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・・・本当は生かしておけないんだが・・・。

ルックがそう思っていると三人が地面から現れた。セラが近寄ってきて口を開いた。

「申し訳ありませんでした、ルック様。勝手な真似をしました。」
「それはいいよ。それよりも、準備を始めてくれ。」

するとセラはロッドをかざし、目を閉じた。ユーバーがアルベルトに言った。

「それで、本当にゼクセン騎士団は来るんだろうな。」
「ああ。ゼクセン騎士団によって長を殺されたと思っているリザードクランは休戦協定の場の騎士団に攻撃をしかける。騎士団がわずかの手勢しか連れてきていないのは調査済みだ。彼らはグラスランドで包囲され孤立する事になる。騎士団の軍師はサロメ・ハラス。その師であるジョアナの書である「軍記」を聖典としている彼なら、このカラヤの村に攻撃をかけることで包囲を解く策に至るさ。」

アルベルトが言った言葉を、ユーバーは黙って聞いていたが、フと目をそらしてから言った。

「そううまくいくのか。」
「お前、今の理解してないのではないのか?まあいい。現実というのは常に数式のように原因から結果へと美しく流れ続ける。人がそれを信じられないのは、人の限界ゆえの不幸だ。」
「お前ならば、その限界を超えられる、と?」

ルックが横から聞いた。

「歴史をあるべき姿に導く事。それがシルバーバーグ家の悲願ですから。」
「・・・お前は祖父に似ているな。」
「だが確かにここまでは計算どおりのようだな。来たぞ。」

ユーバーが言った。
そして一番にやってきた下級騎士達を一行は倒す。

「“怒り”の結界は張り終わりました。人の感情に作用する魔術は、効果が条件で大きく変わります。」

そこにセラがやってきた。

「これが、最高の舞台だと言うことか。」

ユーバーの言葉にセラは頷いた。

「ええ・・・血ぬられた舞台・・・私は好きになれませんが・・・。ユーバー、あなたの趣味ですね。」
「よく分かっているな。」
「お前達はいつもそうだな。用が済んだのなら戻ろう。姿を見られる訳にはいかない。それに時間も・・・。」

そして一行はその場から消えた。
その一行を次に初めてまともに見たのが、あの遺跡でのヒューゴ達であった。

住んでいるところに戻る時、ルックはふと遺跡にて、知ったような匂いがあったような気がしたのを思い出す。

「まさか、ね。」

君がいるはずなんてないのに、ね。

「ルック様、明日はクリスタルバレーにて、神官将となられる式典があります。お忘れにならないで下さいね。」
「分かってる、セラ。」
「ユーバー、あなたはどこへ行くというのです?もう夕飯の時間なんですけど。」
「うるさい。女。お前が邪魔をしたからこの鬱憤をその辺の獣どもではらしてくるだけだ。飯など食わん。」
「・・・女呼ばわりですか。ふふ、今度またそのような態度をとるなら私にも考えがありますからね。」
「ふん。どうすると言うのだ。」
「・・・やめろ、2人とも。・・・ほんとお前達はいつも。いい加減にしろ。ユーバー、ちゃんとご飯、食べるんだ。」
「ルック様。」
「味など分からん。」
「いいから。」

そうしてこの御一行の元でもまた一日、と日が暮れていった。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ