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ルック・湊(ルク主)

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「いない・・・。」
「いないねえ。」
「なんでー。そんなに僕ら遅かったですかねぇ?」
「んー・・・まぁ途中でちょっとイノシシ祭りとかしちゃったしねぇ。」
「あれはホント美味しかった!ほんと逃げるのを捕まえるのが逆に大変でしたよね!」
「ふふ。・・・あ、あのふくよかな女性に聞いてみようか。確かルシアと一緒にいた女性だ、何か知ってるかも?」
「はい!」

湊らが大空洞に到達したのはあれから割とすぐではあった。だが足は早い2人は、つい大量に見かけるいのししの魅力に勝てなかったようである、主に湊が。

「失礼、ルシアのお知り合いとお見かけしたが。」
「え、何だい、あんた達は?・・・ああ、そう言えば前にルシアとここで話していた子らだね?」
「ええ。俺は詩遠。こちらは湊。」
「はじめましてー。」
「こんにちは。あたしゃルースだよ。で、何か用かい?」
「えっとね、友達になったヒューゴくんを探してるですけど、見当たらなくて。ルシアもいないし・・・。あ、えっと、ヒューゴくん、知らない?」

湊が口を開く。ただルシアの名前を出した時に、ルースが少し眉根をひそめたので何気にヒューゴを強調した。

「ああ・・・ヒューゴなら・・・チシャの村に向かったところだよ。入れ違いのようだね。」
「そうなんだ、残念・・・。て、チシャ?あれぇ?あ、えと、チシャてとこで何かあったの?」

最初に声をかけてからは、詩遠はいつものように喋りを湊にまかせていた。湊は人のよさそうな雰囲気があり、相手もあまり警戒してこない。

「そうだね・・・別に言っても差し支えないだろう。もともとメガネの外部女性が伝えてきた情報らしいし。どうやらチシャがハルモニア部隊に襲われてるみたいでね。こちらからも応援は出すけどその前に先に向かったんだよ・・・無事でいてくれたらいいけどねえ。」
「そうなんですか!うわ、じゃあ僕らも向かいます!」
「え?」
「ありがとう!ルースさん!」

湊がニッコリと笑いかけた。ポカンとしてその様子を見ていたルースは、ふとため息をついてからニッコリと笑い、そしておもむろに湊を抱きしめた。いや最早抱き上げていると言っても過言じゃないかもしれない。

「え?ちょ、ルースさん!?」
「ヒューゴの友達ならもう同じだよ。祈らせておくれ。我が友、湊に風と地の精霊の加護あらんことを。」

そしてようやく湊を離した。

「・・・ありがとう!って、詩遠さんは・・・?」
「ああ、こっち、湊!ありがとうルース、じゃあ俺らは行くんで!」

いつの間にか出口のほうに詩遠はいた。
湊は慌ててルースに別れを告げ、そちらの方に駆けつける。そして2人で歩きだしながら、湊が聞いた。

「詩遠さん!いつの間に。どうしたっていうんですー?」
「ふふ、俺はさすがに大人だからあの扱いは遠慮しておこうかと思ってね?」
「ああ、成程!・・・・・・て僕も大人ですよ!」
「ふふ。」
「ふふ、じゃありませんよーもう。でも別にいいや。なんか嬉しかったし。お母さんみたいだった。」

湊はニッコリとして言った。それを見た詩遠も“じゃあチシャに向かおうか”と言いながらニッコリと微笑んだ。

「はい!そういえばクリスさん達も向かってたんですよねぇ。争い事、巻き込まれてなきゃいいですけどねぇ。」
「まあ何とかなるんじゃない?彼女らなら。」
「そうですね、かなり強そうでしたもんね!」

そうして2人はチシャに向かった。途中のクプトの森とやらも難なく抜けて。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ