ルック・湊(ルク主)
「ちょ、おまっ、何言って・・・」
シーナが焦ったように言った。
「は?なんかおかしい事言った?僕。」
「ヤバすぎだろうがっ!なんつー事をっ!」
「へ?・・・?」
湊は、んー?と自分の言った事を振り返っているのか、首をかしげていた。そして思いいたったのか焦ったように口を開いた。
「!!ちょ、いや、シーナこそ何考えてんだよ!!変な意味じゃない!!変な意味じゃないよ!!ほら、あるじゃん、ご奉仕する、とかっ!!」
そのセリフでまたもやフきだす諸々。シーナがすかさず突っ込んでいた。
「おまっ!!もうちょっと言い方を考えろ!!」
・・・どうやら見た目からは想像つかない湊のありあまる力を利用しての力仕事やらを言いたかったようである。
「とりあえず、皆さん、頑張ってレベルあげて来て下さいね?言っとくけどたいていの方は僕の親友の一人、ムクムクよりレベル低いんだからね!」
ムササビよりも低いとか・・・。けっこう落ち込むものがある。
ムクムクはここに本拠地を構える前にずっと湊とともに行動していたからか、ムササビの分際でやたらレベルが高かった。
そして軽く傷心したまま、なんやかんやで一同は追い立てられるようにある意味修行とお買い物の旅に出された。
湊組は普段からちょこちょこと駆り出されている者達なので特に強硬手段に出される事はなかったが、交易ついでに道々戦闘させられるはめにはなった。
「ちょっと・・・。なんで僕までこんな交易ツアーに付き合わされないといけないのさ・・・。」
「道々ついでに鍛えられるじゃん!あとルックは魔防はやたら強いけど、攻防最悪じゃん。もうちょっと防御あげてかないと僕だって心配でしかたがないんだからね!」
受けにそういった心配される攻め、か。
ぶくく、とフき出したシーナをジロリ、とルックはにらみつつ。
「基本僕は後衛だから問題ないだろ。」
「相手はあのルカなんだよ!?そんな事言ってられないんだからね!・・・それにずっと一緒にいられるし・・・。」
最後は“キャッ”という勢いで言ってのける湊。
「まったく・・・仕方ないなぁ。」
そんな言い方しても、顔がなんとなくニヤけてますよールックさん?
シーナはそっと思った。
そうしてすさまじい2日間が経ち、3日目。
王国軍の部隊がすでにミューズ市を出たという情報が入った。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ