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ルック・湊(ルク主)

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シュウの声が響く。と、同時に待機していた場所から矢がふりそそぐ。

「うぉぉぉっ」

ルカがまた膝をつく。
そこへ兵士らを倒した湊らがやってきた。ビクトールが言う。

「追い詰めたぜルカ・ブライト!!これでお前もお終いだ!!」
「終わり・・・だと・・・ふ、ふふ・・・ふはははははは!!!虫けらが何をほざく!!!豚共が何を鳴く!!!この俺には貴様らの命を刈り取る権利があるのだ!!!!」

そう言ってまた立ちあがる。そこに、“ルカ様!!”と兵士達がルカをとり囲うようにしてやってきた。

「ル、ルカ様!は、早くお逃げ下さい!!」

だがそこにも無慈悲にも矢が襲いかかり兵士達は倒れていく。

「我が・・・聖なる戦いの邪魔をするな・・・くずどもが・・・。いくぞ・・・湊!!!!」

そう言ってルカは湊に一騎打ちを挑んできた。ルックやくされ縁が止める声を聞きながら、湊は受けてたった。

「つまらぬ!!貴様ごときがこの俺を止めることが出来るか!!」

ルカは恐ろしい勢いで湊に挑む。だが既に手負いであるという事と、湊自身がけっして弱くない、むしろ戦闘は強い為、なんとかルカを打ち倒すことが出来た。
ルカがドサッと仰向けで倒れた時、湊はスローモーションを見ているような気持ちだった。

あのルカが・・・村を焼き払い、ピリカや自分たちに剣を振り上げていたあのルカが・・・そしてユニコーン隊を、自分たちの少年部隊を戦争を起こす目的で全滅させたあの、ルカが・・・

「ついに剣も折れ、それを振るう力も尽きたか・・・。湊・・・貴様は何ゆえ戦う!!この俺を殺し、何を思う!!」
「・・・この・・・戦いを終わらせる。」
「戦いを終わらせる?夢物語だ・・・・そんなものは、子供に言って聞かせるおとぎ話だ。俺を殺し、我が王国を破ったとしてもそこに残るのは、平穏などではないぞ!!ただ、恨みの声が響き渡る荒野だけだ!!」

そう言ってルカはふらり、と立ち上がり腕を広げる。そして後ろに下がる。

「ふ・・・ふははははははははは!!素晴らしい、素晴らしいぞ!!この身をかけていた、うずきが!!皮膚を焦がす乾きが癒えていく!!」

ルカが高笑いした。

「聞け!湊!貴様らは千人で俺を殺したが、俺は一人で、その何倍も、貴様らの同胞を殺した!!」
「・・・っ。」
「俺は!!俺が想うまま、俺が望むまま!!邪悪であったぞ!!!!」

そう高らかに言ってのけると、とうとうルカがバタリ、と倒れた。
あまりにも強烈な男だった。
一瞬シーン、とした後、森に歓声が響きわたる。

「終わった・・・のか・・・。俺達は・・・勝った・・・のか。」

フリックが茫然とつぶやく。
湊はただ、立ちつくしていた。

「・・・よろしかったのですね?」

離れた木陰でレオン・シルバーバーグが言った。

「ああ・・・。もともと、それが望みであったのだし、僕に運命を受け入れる勇気があると信じたいよ。」

かつて、ピリカに木彫りのお守りを、ルカに殺された父親に、プレゼントしたいからと言っていたピリカに買ってあげていたお守りをあそこに下げた人物、ジョウイがそうつぶやいた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ