ルック・湊(ルク主)
明らかにどよん、としているルックに対して、シーナは一瞬焦ったようであったが今のルックのセリフを聞いてホッとしたように笑った。
「なーんだ、そうか。ふふ。」
「何がおかしい?シーナ?もしくは何か知っているの?返答によっては少し遠い空まで飛ばすからね。」
「ちょ、ほんと俺って扱いひどいよな。まあ、いい。いやーなんてゆうか、青春だなぁて思って。」
「切り裂・・・」
「ちょ、おいおいおい、待て待て待て!!バカにしたんじゃねぇって!!実はさー・・・」
シーナ曰く、湊は一般常識程度は知っているものの、恋人としての行為が男同士ではまずありえないと思っていたらしい。
どうしようかと思ったあげく、ちょうど男同士の恋愛本を持っている子がいたからそれを借りてきて湊に渡したんだという。
「・・・男同士の恋愛本・・・?」
「そ。とある女の子達には人気らしいぜ。それ読めば湊も分かるかなーって思って。」
「・・・そのあげく、僕を避ける結果になったって訳?」
「あー・・・。で、でもほら、それって意識してるからじゃね?他の男に対しても避けるような態度とってんならちぃと問題かと思ったけどさー。良かったなー、ルック。めっさ意識されてんじゃん!」
「いいわけあるか!おかげで僕はすごく・・・」
言いかけてルックはハッとする。少し顔を赤らめるルックに、シーナはニヤニヤした。
「何ー?」
「なんでもない!」
「えー?」
相変わらずニヤニヤしてるシーナをジロリ、とルックは睨む。そしてちょうど通りかかったウェイトレスにむけて風をあやつる。
「キャッ。」
女の子はお尻を押さえて赤くなってきょろきょろした。
「ああ。今ここのバカがやらかしたみたいだよ。」
ルックはそう言うと、女の子に睨まれながら“ちょ、ひでぇ!”と言っているシーナを無視してレストランから出て行った。
今の時間ならまだ公務だろうな、と思いつつルックは湊の部屋で待つことにした。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ