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ルック・湊(ルク主)

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蜜語



そっと耳元で囁かれたような気がした・・・。

「湊・・・好きだよ。」

なんとなく・・・ルックにそう言われたような気がした・・・。


「ん・・・。」

目を開けると、そこはいつもと違う光景。

「あ、れ・・・?」
「あ、起きた?」
「え?」

湊が起きたのに気づいたルックが覗きこんできた。
わ、朝っぱらから綺麗な顔見ちゃった、などと見当違いな事を思いつつ、湊はんん?と考える。

「・・・もしかして寝ぼけてるのかい?」
「へ・・・?・・・・あ!!」

思い出した。
その途端、湊は顔をほんのり赤くして布団で顔を隠す。
そうだった。
自分は昨日ルックの部屋に泊まって・・・。・・・あれ?にしては・・・?
湊がキョロキョロとしだす。

「?どうしたのさ。」
「え?や、その、僕もまわりもなんか綺麗に・・・」
「そこ!?湊にしては、まともな(可愛らしい)反応見せたと思ったら、いきなり、そこ!?・・・まったく・・・。後処理はしてあるよ。でないと君もおなか、壊すでしょ。」
「え・・・あ・・・。」

そう言われて、改めて湊は真っ赤になった。

「ほんと君って・・・まあ、いい、おはよう。」

呆れたような顔をしたルックが、湊に軽くキスをしてきた。

「ん、おはよ!ルック。」

湊はニッコリ笑って答えた。

「・・・っ!朝からそんな笑顔見せるとか・・・。」
「え?」
「なんでもないよ。湊、身体、大丈夫?」
「あ、うん、ちょっとだるい。でも大丈夫!!」
「・・・さすがだね・・・。じゃあ起きられそうなら、朝ごはん、食べに行く?」
「うん、行く行く!ってっ」

ガバっと起き上がった途端、少し固まる湊。

「湊?」
「あは、やっぱちょっとお尻に違和感?」
「っんとに君は!」
「え、言っちゃいけなかった?あ、でもうん、大丈夫。行こうよ、ルック!・・・あ。」
「ん?まだ、どっか痛いところ・・・?」
「あ、ううん。あの、ね?」

湊が少しもじもじしながら俯く。ルックは首をかしげながら近づいた。

「その・・・なんか夢ん中でね、えっと、ルックがね、僕のこと・・・好きって言ってくれたような気がね、した。」

とたん、ルックが固まった。

「あ、いや、ほんと、夢、夢!!あはは・・・」
「好きだよ・・・」

慌てたようにワタワタとして、笑ってごまかした湊の耳元で、ルックがそっと言った。
すると湊はへなへな、と崩れ落ちる。

「どっどうしたの!?」

見れば湊は耳まで真っ赤にして口を押さえていた。

「だ、だって、だって・・・ルックが・・・う、嬉しすぎて・・・」

まさか言ってはくれないよ、ね?と思いながら口にした事だったので、あまりの予想外なルックの言葉に、びっくりしたのと嬉しすぎたので思わず膝がガクガクして立っていられなくなった。
そんな湊の反応をどう思ったのか知らないがルックは困ったような顔をしている。
だが次の瞬間には抱きすくめられていた。
結局その日湊とルックがレストランに姿を現したのは午後も遅い時間になってからだった。

「あ、湊、いたいた!」

そこにナナミがやってきた。

「ナナミ。」
「もう、どこ行ってたのよー。探したんだから。」
「あ、ごめん。」
「いいよ、別に謝らなくても。ルック君と一緒みたいだし、安心した。」
「「へ」」
「?何よ2人とも変な声出して。あ、そんな事よりもね、湊。」

そんな事扱いされはしたが、一応、ルックと湊の仲は認識したうえで認めてくれているっていう事だろうか。ナナミは鋭いんだか鈍いんだかいまいち分からない。ルックは内心で、“さすが血は繋がっていないとはいえ、湊の姉”とは思っていたが。

「どうやら王国軍の包囲が解除されたみたい!今まで行けなかった街にも、行けるようになったんだって!」
「ほんと!?」
「うんっ。だからさ、明日にでも、どっか出かけない?」
「わあ!そうだね、行こう!」

湊とナナミはとても嬉しそうだった。反面、ルックはなんとなく嫌な予感がして、軽くため息をついていた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ