二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ルック・湊(ルク主)

INDEX|73ページ/174ページ|

次のページ前のページ
 

「ふうん。そうなるんだ。」
「っちょ、何呑気な。どうしてくれんのさっ。」
「してもいいなら、するよ?」

ニッコリと詩遠が手を伸ばしてくる。

「ふざけんな。何があっても君には渡さないからね。」
「へぇ。ねえ、湊ー。おいで?俺が熱、冷ましてあげるから。」

明らかにうそくさい笑みをルックに向けたあと、女性が見たら黙っていなさそうな笑顔を湊に向けて詩遠が言う。
そんな詩遠に、ルックは怒りの目を向ける。

「おい、湊が。」

シーナがそう言って湊をさす。見ると、湊がスカーフの結び目をほどいているところだった。そして黄色いスカーフはハラリ、と肩から滑り落ちた。
薄暗い照明の中で湊の白い首筋と鎖骨がぼんやりと光を放つ。

「ちょ、湊っ。」
「ふふ、可愛い。」
「なんつーか、俺でも何か、さ。」

動揺しているルックの気も知らず、湊は“熱い”、と今度は胴着の合わせ目に手をかけた。

「親友君は、これ、一人占めする気だったんだねぇ。」

おだやかに詩遠が言っているが、目が笑っていない。

「ほ、ほら、湊っ。水!水飲んで!」

ルックが慌ててコップの水を飲まそうとするが酔っぱらっている湊はまともに飲もうとしない。

「まったくっ」

ルックはそう悪態をついたあと、自分で水を口に含んだ。

「「あ」」

2人が見ている中、ルックは湊の唇を塞ぐ。

「ん・・・は・・・ぅ」

すべての水を流し込み、湊がそれを飲み下した後も、ルックはキスをやめなかった。
明らかに詩遠に見せつけるように、舌を絡ませているのが分かる程度に唇を離したり、濡れた音をたてる。

「やってくれるね。」
「明らかにお前に対してやってるよな、ルッくん。」

しばらくしてようやく唇を離したルックは、詩遠を見て“消毒も兼ねて”と呟いた。
そうこうしていると、湊が“ん・・・”と可愛らしい声をあげて、重そうに瞼を閉じた。
どうやら今のキスで体力を持って行かれたのか、酔いが一気に眠気にきたらしい。

「可愛い。」
「こういうとこ、子供みたいだよなぁ。」

2人がそう言っているのを無視して、ルックが湊を抱えて立ち上がった。

「どうしたのさ。」
「湊を寝かせてくる。」
「だったら俺が寝かせてきてあげるけど?ルックは重いもの、持てないでしょ?」
「・・・湊は軽いから。それに、あんたに連れていってもらうなんて、野獣にウサギを渡すようなもんだろ。」
「おや、酷いね?俺はこれでも紳士だけど?」
「の皮、かぶってるだけだろ。冗談じゃない。」
「つか、あんたら小声で言ってるにも関わらず、なんか怖いから。」

シーナのつっこみでお互い口を閉じたあと、ルックはフン、と鼻をならしてから消えた。

「あーあ、行っちゃったー。」
「詩遠たら、手が早いんだもの。ルックもそりゃ怒るだろうよ。」

シーナが呆れたように言った。

「えー、シーナに言われたくないんだけど?手、早いって、キスしかしてないじゃない。それにしても可愛いかったなー。ほんと幼馴染くんも侮れないよね?誰にも見せないようにって思ってたに違いないよねぇそれどころか、それこそ良からぬ事、してなきゃいいけどねぇ。親友君がもし何かしてたとなると、俺も、この左腕、押さえてるの、きつくなるかもねぇ。」

穏やかそうに、だけれども激しく物騒な様子で詩遠はニッコリと呟いていた。
次の日、なぜかルックの腕の中で目が覚めた湊は一瞬、お酒でまた何かやらかしたのか、と焦ったが、あんまりにもルックの腕の中が気持ち良かった為、“まあ、いいかぁ”とまたもうひと眠りに陥った。
ルックも眠ってはいたが、脳の中では“何があっても人前、特に詩遠の前ではお酒禁止”とグルグルとずっと回っており、起きた後も疲れがまったくとれていなかった。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ