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ルック・湊(ルク主)

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「やあ、ルック。またもや不法侵入かい?うちにはちゃんと玄関のドアっていう存在があるの、知ってるといいんだけど。」
「ルック!今日もきてくれたんだ!」

ニッコリと嫌味をいう詩遠をジロリと見てからルックは湊に近づく。

「具合は、どう?」
「うん、もうね、起きていいって!お昼ご飯、ようやく皆と食べられるんだよ!」
「そう。良かった。・・・湊、こいつに変な事、されなかったかい?」
「へ?何言って・・・」
「何、変な事って?ああ、こういう事かな?」

湊が不思議そうに言いかけたところで、詩遠がニッコリと言い、湊に覆いかぶさり、軽くキスをした。

「っ詩遠さ、ん?」
「・・・葬送の風でもお見舞いしようか・・・?」
「やだ、ルックが怖い。」
「っ気持ち悪いんだよ!ちょ、離れなよ!何してくれてんだ、このニート英雄が!」

ぽかんとしている湊にニッコリと笑いかけ、詩遠は立ち上がった。そしてすれ違う時に、ルックに呟いた。

「また改めて、今の魔法名について、などなど聞かせてもらおうかな・・・?」
「・・・」

ルックは無表情だったが、ピクリ、としたのが詩遠に分かった。肩越しにチラリ、とルックを見てから、あらためて振り向く。

「じゃあ、ルッくんが怒ってるから、俺、退散するね。湊、またお昼ご飯の時に、ね?」

ニッコリと湊に手をあげてから、詩遠は部屋を出て行った。

「ルック?どうしたの?」
「・・・なんでも、な・・・いや、なんでもある。なんなんだ、今の。あいつ、今みたいにちょっかい、かけてきてたのか?」
「へ?あ、ああ。ううん。えっと、キスの事、言ってるなら、今が初めて。えっと、キスが挨拶って、ここ、トランの風習だったんだね。」

湊はコテンと首をかしげて言った。

「はあ?・・・ちょっと、もしかして君、いまだに・・・」
「え?」
「・・・はあ。いや、もう、いい。」

前に、まだ付き合ってない頃、ルックが湊にしていたキスを挨拶だと思っていた湊。よもや、まだ勘違いしていたとは。天然具合も限度ってものがあるだろうが・・・。
ルックは呆れてものが言えなかった。説明する気にもなれない。
とりあえず、少し前に湊が詩遠にお酒を飲まされた時にされたキスのことは覚えてないようだ。まあ、覚えてないにこしたこと、ないし、思い出させる気もないけど。

「まあ、とりあえず、元気になって良かったよ。グレミオがいいって言うなら、今日にでも帰るかい?」
「うん!詩遠さんやグレミオさんに迷惑、これ以上かけらんないし、あんまり本拠地あけてるのもだめだもの。」

城ではシュウが、ある程度の人間には、たくさん発生した書類処理をしてもらっている、と説明しているとの事で。
ナナミも“じゃあ、邪魔しちゃだめなんだよね?”と少し不満そうに言っていたらしい。

「分かった。」

ルックは頷いてから湊に近づき、少し長めにキスをした。

「っん。」

唇を離す際に、ペロリ、と湊の唇を舐め、“消毒・・・”と呟いた。
それからふ、と遠い目をする。

・・・思わず、真の風の紋章の魔法名を言ってしまった。どのみち、『あいつ』が傍にいないと安定しない為、普段は封印しているんだが。そしてこの紋章の存在。別にあえて隠している訳ではないけれども、あえて説明もしていない。
ただ、先ほどの詩遠のもの言いが少し気になった。

「・・・ルック?」
「・・・ああ、ごめん。なんでもない。」
「・・・そう。」
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ