ケルベロスの独り言
僕達の名前はケルベロス。
ナベリウスって悪魔から生まれた魔界の番犬。
頭と尻尾が二つあるから僕達って言うんだ。
親しくしている仲間に、マルコシアスって公爵位にあるけど翼を持った狼の姿をした悪魔や、ブネって名前の、人とグリフォンと犬の頭を持ったドラゴンがいる。
でも、彼らは悪魔としての仕事もあるから、いつも遊んでるわけにはいかないし、僕達だって番犬としての役割を果たさなきゃならない。
妖魔や他の魔族達は番犬をしている僕達を怖がっているのか、構ってはくれなかった。
ルシファー様やシャア様は声をかけてはくださるけど、指示を含んでいるから少し淋しかった。
だって、僕たちは「犬」なんだから・・・。
「犬」の性質って知ってるよねぇ。
群れの中でボスを筆頭にした社会を築いてるけど、仲間同士で遊んだりじゃれあったりしたいと思うんだ。
人間界の「犬」ってのは、飼い主の人間に撫でたり遊んでもらったりブラッシングしてもらったりしていて、ちょっと・・・・・・、正直言ってもの凄く羨ましいなぁって思ってた。
そりゃぁ、この仕事をしている事に不満はないよ。
「役割」がある事に満足している。
でも・・・・・・少し、・・・ね。
そんな僕達が出会ったのが、天使のアムロ。
最初はシャア様の命令でいつものように捕虜となった天使と同じにいたぶるつもりで出向いたんだけど、アムロったら僕達をちっとも怖がらなかった。
それどころか、腕に噛み付いた僕達に、友達になってって言ってくれたし、撫ぜてくれたんだ。
とっても優しくて柔らかな手だった。
暖かな心がその手を通して僕達に染み込んできた。
だから僕達はアムロの友達になったんだ。
僕達にとっても、初めての友達。
親友って言うの?
何があってもアムロを守りたいし、一緒に居たいって思ったんだ。
もっとも、そのせいでシャア様に手荒い報復を加えられたんだけど・・・。
でも、僕達はアムロの友達でいたいから、負けないんだ。
絶対に!
それに、この頃のシャア様は、僕達がアムロに構われているのを見ると、嫉妬してるみたい。
グルーミングっていうの?あ、違うか。トリミング?と人間界では言うらしいんだけど、アムロが体を洗ってブラッシングしてくれたり、耳や爪を綺麗にしてくれるんだけど、それがもっのすっっごく気持ち良いんだよぉ。
もう、ゴロ〜〜〜ンって寝そべってお腹出しちゃって、どうとでもしてぇ―――って感じになっちゃう。
でも、シャア様がアムロの傍に来てアムロの肩を抱いたら、僕達は離れないといけない。
そうしないとシャア様がものすっごく不機嫌になるから。
シャア様が館にいないときは、僕達はアムロの傍にくっついて、何処に行くのも一緒。
館の中だろうと魔界の中だろうと絶対に目を離さない。
だって、アムロが怪我したりしたら大変だし、誰かに苛められたり攫われでもしたら、魔界が大荒れになっちゃうからね。
シャア様の魔力が暴走したら、きっと対抗できるのはルシファー様以外にいないもの。
そんな事にならないように、僕達が頑張ってアムロを守るんだ。
とは言っても、一回天界へ連れてかれて帰ってからのアムロの背中には大きな真紅の翼があるから、アムロが本気で羽ばたいたら僕達はついて行けない。
シャア様も羽ばたくと速いけど、アムロのはそれ以上なんじゃ・・・。
転位してるんじゃないかと思う位。
僕達は一日のほとんどをシャア様の館で過ごしている。
朝(って言っても日が昇るわけじゃないけどさ)、シャア様がアムロと一緒のベッドから出てこられたら、僕達はアムロの傍に行けれる。
それまでは寝室の外で待機してるんだ。
シャア様がお仕事で戻られない時だけ、アムロのベッドの傍にいる事が出来るけど、そんな機会はなかなか無い。
で、アムロは目を覚ますと僕達を撫ぜてくれる。
この朝のスキンシップが嬉しいんだ。
少しだけ気だるそうにしながらも微笑んでくれて、ほっこりと暖かい腕が耳の後ろや首を掻くように撫ぜてくれると、今日も一日良い日だヨ―――って思っちゃう。
でも、以前に、起きてって伝えようとしてアムロの顔や口を舐めたら、シャア様に電撃を落とされちゃった。
“アムロの唇に触れて良いのは私だけだ!!”
って言って、アムロの口を思いっきり塞いじゃって、アムロが気を失いそうになっちゃった。
“ケロちゃん。親愛の仕草だって解ってるんだけど、僕の為を思うなら止めてくれる?”
って困った顔で言われてからは鼻先で挨拶するだけにした。
僕達だけが痛いおもいをするならかまわないけど、アムロまでじゃ可哀想だもんね。
起床したらアムロはジュースだけ飲む。
時々ご相伴に与るんだけど、これが美味しいんだよ。いっつも新鮮な果物や野菜で作るから。
それから、シャア様が仕事で館を不在にした時だけ、アムロは魔界の巡視に出掛けるから、僕達はお供として付いて行く。
時々アスタロト様やベルゼブブ様、バール様が同行したりなさるけど、一番親しくされているのがアモン様かなぁ。
ふくろうの頭を持った魔公爵様なんだけど、この方は過去と未来を見る事が出来るだけじゃなく、素晴らしい詩を作られる。
だから、アムロと一緒に詩を作ったりして、それを鶫の姿をされたカイム様がルシファー様の前で謡ったりなさるんだ。
皆うっとり聴いてる。
アムロは歌が苦手だって言うけど、こっそり口ずさんでるのを聴いたら、綺麗な声だったけどナ―――。
“賛美歌だから嫌だったんじゃない?”って気遣ってくれたけど・・・。
あと、魔界王族のオロバス様と真理について話をされる事もある。
僕達には難しすぎてわからないんだけど、魔公爵様達などは、二人の会話に耳を傾けて、時には質問したり議論になったりする。
アムロって優しいだけじゃなくって知識も豊富なんだよ。
そう言えば、シャア様がアムロの言葉に二の句を告げれなくなった事があったなぁ。
そんな時のアムロって、少し怖い位に凛々しい。
瞳が金色に煌いて、シャア様の蒼い瞳を真っ直ぐに見据える。
そうなるとシャア様の視線が落ち着かなくなるんだ。
で、結局シャア様が、あのシャア様がアムロに謝ったりするんだから、アムロって凄いよ。
シャア様とアムロが一緒に夕食を摂られたりしたら、その夜は、僕達は寝室の扉の外で待機するしかない。
お二人は一緒に入浴して一つのベッドで休まれるんだから。
魔族も天使も、基本的には眠るって行為は必要としないんだけど、シャア様がアムロと交尾(あ、人型はセックスって言うんだっけ)すると、アムロはグッタリして眠っちゃうから、シャア様も一緒に休んでしまう。
そりゃそうだよね。アムロが凄く艶っぽい声で啼くんだもん。
あんなに喘がされて啼かされ続けたら、グッタリしちゃうよ。
一回だけ耳にした事があるんだけど、僕達も発情しちゃった位だし、館の中の淫魔達が交合を始めちゃった位なんだ。
それ以降シャア様が強力な結界を張られるようになったから耳にはしないけどね。
アムロをあんなに喘がせるシャア様って、凄いんだろうなぁ、きっと。
そう言えば、アムロが天界から戻った日から3日位、シャア様もアムロも寝室から出てこなかったっけ。
そうだ。
アムロのあの声を聴いたの、あの日だった。
ナベリウスって悪魔から生まれた魔界の番犬。
頭と尻尾が二つあるから僕達って言うんだ。
親しくしている仲間に、マルコシアスって公爵位にあるけど翼を持った狼の姿をした悪魔や、ブネって名前の、人とグリフォンと犬の頭を持ったドラゴンがいる。
でも、彼らは悪魔としての仕事もあるから、いつも遊んでるわけにはいかないし、僕達だって番犬としての役割を果たさなきゃならない。
妖魔や他の魔族達は番犬をしている僕達を怖がっているのか、構ってはくれなかった。
ルシファー様やシャア様は声をかけてはくださるけど、指示を含んでいるから少し淋しかった。
だって、僕たちは「犬」なんだから・・・。
「犬」の性質って知ってるよねぇ。
群れの中でボスを筆頭にした社会を築いてるけど、仲間同士で遊んだりじゃれあったりしたいと思うんだ。
人間界の「犬」ってのは、飼い主の人間に撫でたり遊んでもらったりブラッシングしてもらったりしていて、ちょっと・・・・・・、正直言ってもの凄く羨ましいなぁって思ってた。
そりゃぁ、この仕事をしている事に不満はないよ。
「役割」がある事に満足している。
でも・・・・・・少し、・・・ね。
そんな僕達が出会ったのが、天使のアムロ。
最初はシャア様の命令でいつものように捕虜となった天使と同じにいたぶるつもりで出向いたんだけど、アムロったら僕達をちっとも怖がらなかった。
それどころか、腕に噛み付いた僕達に、友達になってって言ってくれたし、撫ぜてくれたんだ。
とっても優しくて柔らかな手だった。
暖かな心がその手を通して僕達に染み込んできた。
だから僕達はアムロの友達になったんだ。
僕達にとっても、初めての友達。
親友って言うの?
何があってもアムロを守りたいし、一緒に居たいって思ったんだ。
もっとも、そのせいでシャア様に手荒い報復を加えられたんだけど・・・。
でも、僕達はアムロの友達でいたいから、負けないんだ。
絶対に!
それに、この頃のシャア様は、僕達がアムロに構われているのを見ると、嫉妬してるみたい。
グルーミングっていうの?あ、違うか。トリミング?と人間界では言うらしいんだけど、アムロが体を洗ってブラッシングしてくれたり、耳や爪を綺麗にしてくれるんだけど、それがもっのすっっごく気持ち良いんだよぉ。
もう、ゴロ〜〜〜ンって寝そべってお腹出しちゃって、どうとでもしてぇ―――って感じになっちゃう。
でも、シャア様がアムロの傍に来てアムロの肩を抱いたら、僕達は離れないといけない。
そうしないとシャア様がものすっごく不機嫌になるから。
シャア様が館にいないときは、僕達はアムロの傍にくっついて、何処に行くのも一緒。
館の中だろうと魔界の中だろうと絶対に目を離さない。
だって、アムロが怪我したりしたら大変だし、誰かに苛められたり攫われでもしたら、魔界が大荒れになっちゃうからね。
シャア様の魔力が暴走したら、きっと対抗できるのはルシファー様以外にいないもの。
そんな事にならないように、僕達が頑張ってアムロを守るんだ。
とは言っても、一回天界へ連れてかれて帰ってからのアムロの背中には大きな真紅の翼があるから、アムロが本気で羽ばたいたら僕達はついて行けない。
シャア様も羽ばたくと速いけど、アムロのはそれ以上なんじゃ・・・。
転位してるんじゃないかと思う位。
僕達は一日のほとんどをシャア様の館で過ごしている。
朝(って言っても日が昇るわけじゃないけどさ)、シャア様がアムロと一緒のベッドから出てこられたら、僕達はアムロの傍に行けれる。
それまでは寝室の外で待機してるんだ。
シャア様がお仕事で戻られない時だけ、アムロのベッドの傍にいる事が出来るけど、そんな機会はなかなか無い。
で、アムロは目を覚ますと僕達を撫ぜてくれる。
この朝のスキンシップが嬉しいんだ。
少しだけ気だるそうにしながらも微笑んでくれて、ほっこりと暖かい腕が耳の後ろや首を掻くように撫ぜてくれると、今日も一日良い日だヨ―――って思っちゃう。
でも、以前に、起きてって伝えようとしてアムロの顔や口を舐めたら、シャア様に電撃を落とされちゃった。
“アムロの唇に触れて良いのは私だけだ!!”
って言って、アムロの口を思いっきり塞いじゃって、アムロが気を失いそうになっちゃった。
“ケロちゃん。親愛の仕草だって解ってるんだけど、僕の為を思うなら止めてくれる?”
って困った顔で言われてからは鼻先で挨拶するだけにした。
僕達だけが痛いおもいをするならかまわないけど、アムロまでじゃ可哀想だもんね。
起床したらアムロはジュースだけ飲む。
時々ご相伴に与るんだけど、これが美味しいんだよ。いっつも新鮮な果物や野菜で作るから。
それから、シャア様が仕事で館を不在にした時だけ、アムロは魔界の巡視に出掛けるから、僕達はお供として付いて行く。
時々アスタロト様やベルゼブブ様、バール様が同行したりなさるけど、一番親しくされているのがアモン様かなぁ。
ふくろうの頭を持った魔公爵様なんだけど、この方は過去と未来を見る事が出来るだけじゃなく、素晴らしい詩を作られる。
だから、アムロと一緒に詩を作ったりして、それを鶫の姿をされたカイム様がルシファー様の前で謡ったりなさるんだ。
皆うっとり聴いてる。
アムロは歌が苦手だって言うけど、こっそり口ずさんでるのを聴いたら、綺麗な声だったけどナ―――。
“賛美歌だから嫌だったんじゃない?”って気遣ってくれたけど・・・。
あと、魔界王族のオロバス様と真理について話をされる事もある。
僕達には難しすぎてわからないんだけど、魔公爵様達などは、二人の会話に耳を傾けて、時には質問したり議論になったりする。
アムロって優しいだけじゃなくって知識も豊富なんだよ。
そう言えば、シャア様がアムロの言葉に二の句を告げれなくなった事があったなぁ。
そんな時のアムロって、少し怖い位に凛々しい。
瞳が金色に煌いて、シャア様の蒼い瞳を真っ直ぐに見据える。
そうなるとシャア様の視線が落ち着かなくなるんだ。
で、結局シャア様が、あのシャア様がアムロに謝ったりするんだから、アムロって凄いよ。
シャア様とアムロが一緒に夕食を摂られたりしたら、その夜は、僕達は寝室の扉の外で待機するしかない。
お二人は一緒に入浴して一つのベッドで休まれるんだから。
魔族も天使も、基本的には眠るって行為は必要としないんだけど、シャア様がアムロと交尾(あ、人型はセックスって言うんだっけ)すると、アムロはグッタリして眠っちゃうから、シャア様も一緒に休んでしまう。
そりゃそうだよね。アムロが凄く艶っぽい声で啼くんだもん。
あんなに喘がされて啼かされ続けたら、グッタリしちゃうよ。
一回だけ耳にした事があるんだけど、僕達も発情しちゃった位だし、館の中の淫魔達が交合を始めちゃった位なんだ。
それ以降シャア様が強力な結界を張られるようになったから耳にはしないけどね。
アムロをあんなに喘がせるシャア様って、凄いんだろうなぁ、きっと。
そう言えば、アムロが天界から戻った日から3日位、シャア様もアムロも寝室から出てこなかったっけ。
そうだ。
アムロのあの声を聴いたの、あの日だった。