おもいあい
「いいわけあるか!」
好きだと言われた。のに殺されそうになった。
けど、どうしてだか付き合うことになった。
「殺したいほど好きなら本当に殺してやろうと思ったんだ」
「その物騒な考えやめましょう」
「だって君の耳も視界も神経さえ全て僕でいっぱいになるだろ?」
「分かったアンタおっもい!」
地球規模の独占欲をもってた。
そんなんどう支えろってんだ。
殺されてはやらなかったけどコロされはした。何度も何度も。数えきれないくらい。
そして十余年。十余年だ。
短いようで本当に短かった。
最早挨拶のようになったそれを息をするよりも簡単に口にする。
「愛してる。殺していい?」
「…いいですよ。そのかわり、アンタもオレに殺されて」
重い愛、想い愛、想い合う。
おもいあいに押し潰されて、
貴方と一緒、地に墜ちる。