特になし
シンは
「お前らは将来何になるんだ?」
と、紫闇達に聞いた
「俺は…」
紫闇は戸惑うが
「私は当然アサシンよ」
「私は、モンクですかね」
霧音やゼロスは即答する
シンはため息をつきながら
「紫闇お前だけか何も決まってないのは…」
―朝―
「懐かしい夢を見たな…」
ここは首都プロンテラにある騎士ギルドで俺はそこに所属する騎士だ
この世界は昔、神と人間、そして魔族による戦争があった。
その長きにわたる聖戦の末、壊滅的な打撃を受けた3つの種族は滅亡を避けるために、
互いのひそやかな休息を得る事になった。
1000年の平和‥‥ 。
この長い休息によって得られた平和は、ミッドガルド大陸で生活している人類から悲惨な戦争と、
過去に受けた傷を忘れさせてしまっていた。
彼らは過去の過ちを忘れ、己の欲望を満たすために自らの文明を発展させていった。
そしてある日、少しずつその平和のバランスが崩れる異常気象がミッドガルド大陸の所々で現れ始めた。
人間界と神界、魔界を隔離する魔壁から響いて来る轟音、凶暴化する野生動物、
頻繁に起こる地震と津波。そして、いつの頃からか現れ始めた魔物達
各町は魔物達に対抗するためギルドを設立し魔物達を討伐する冒険者達を募集し始めた…
この騎士ギルドもそう言ったギルドの1つである
各ギルドに所属する冒険者達はギルドに召集されない限り自身を鍛える為各地へ散っている
「あいつらにもう10年は会ってないが何処かのギルドに所属してんだろうな…」
とシンが思いに浸っていると青竜部隊体長のタナトスが
「シン、フェイヨンで狐が大量に出てきてるようだから討伐に行ってくれないか?」
「ん?お前が隊を率いて行った方が早くないか?」
「そうしたいが訓練でちょっとやりすぎて俺以外誰もまともに動けないんだ」
「それじゃ仕方ないか…」
「急いで来てほしいとの連絡も受けてるらしい」
「わかった、ぺコ借りてくぞ」
シンはぺコに乗り自分の部隊である赤竜部隊を率いてフェイヨンへ急いだ
―フェイヨン―
「くそ、矢が切れた」
「SPが切れたから一時撤退する」
「誰か、ブレスをくれ!!」
「っち、数が多い!ボーリングバッシュ!!」
「これでも食らえ!ソニックブロー!!」
フェイヨンに着くなり聞こえるのは切羽詰まった声ばかりだ
「第1部隊は負傷者を安全な所に!第2部隊は俺と一緒に敵の殲滅だ」
シンは赤竜部隊に命令を下すと敵の中に飛び込んで行った…
―アーチャー村―
「雑魚に構うな!この狐どもを率いている奴をどうにかしない限り増え続けるんだ」
「一刻も早く狐どもを率いている奴を見つけ出すんだ!」
シンはそう叫ぶとさらに敵の奥へと進む
「隊長、第1部隊からの連絡でこの奥でウォルヤファらしき姿を見た者がいるとの事です」
「それがたぶんこの狐どもを率いてる見つけ次第倒すぞ」
「「了解しました!」」
シンが赤竜第2部隊に命令を下した瞬間
『アークスパイク』
ウォルヤファーの魔法が炸裂する
「何!皆避けろ!!」
シンはとっさに命令を下しながら魔法を避けたが
「隊長すいません隊長以外皆避け切れませんでした。足を取られて動けません」
「ち、しかたない奴は俺が何とかするお前らはどうにかして脱出しろ!」
「すいません」
「謝ってる暇があるならさっさと脱出して狐どもを討伐しろ」
「「了解!」」
シンは1人ウォルヤファーを追うが少し進むとウォルヤファーはシンの方を向き
『ツーハンドクイッケン』
「1対1の対戦ってわけか…ならばこちらもツーハンドクイッケン!」
ウォルヤファーの猛攻撃をシンはギリギリで受け流していく
「っち、やはり1人じゃキツイか…」
とその時何処からかシンに向かって支援が飛んできた
ブレッシング!!
速度増加!!
「誰だか知らぬがありがたい」
「支援を貰ったからには貴様なぞには負けん!」
ウォルヤファの猛攻撃を余裕で交わしウィルヤファに攻撃を与えていくが
『召還』
「っち狐を召還しやがったか」
「狐どもを一掃しないとキツイか…ボーリングバッシュ!」
『召還』
「狐ばかり召還して何をするつもりだか知らぬが相手にならぬな!」
「ボーリングバッシュ!!」
シンが狐を一掃した後にはウォルヤファの影は無かった…
「クソ、逃げられたか…」
「そういや~さっき支援をくれた人は…」
シンは回りを探したがシン以外には誰も近くには居なかった
「誰だかわからんがちゃんと礼を言いたかったな…」
「とりあえずこれ以上考えていても仕方ないな」
「奴には逃げられたがこれで狐どもが増えることも無いだろうし街に戻るか」
―フェイヨン―
「隊長、狐の殲滅完了しました」
「ふむ、それじゃ騎士ギルドに戻るか」
こうしてラグナロクへの序章が始まっていった…