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僕の可愛い人ですから

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シュラは雪男の肩をガシッとつかんだ。
そして、身を乗りだしていく。
あっというまに距離は詰まった。
キスをする。
唇が触れ合って、すぐに離れたけれど、今度は雪男のほうが積極的に動いてくる。
その手がシュラを捕らえる。
ふたたび距離が縮まる。
あと少しで、距離が無くなる。
そんなとき。
携帯電話が鳴った。
シュラの携帯電話だけではなく、雪男の携帯電話も鳴っているようだ。
上一級祓魔師と中一級祓魔師の携帯電話が同時に鳴るというのは、どういうことだろうか。
事件、だろう。
「どんな嫌がらせだ……!」
雪男が腹立たしげに言った。
しかし、それでも無視はできないようで、自分の携帯を取りだし、電話に出る。
シュラも自分の携帯電話を手に取った。
電話をかけてきた相手と話す。
やはり、事件だった。

南十字通りで悪魔が暴れている。
図体がやたらと大きいのが一体と、小さいのが複数。
大きいほうが凶暴で祓魔師たちは苦戦しているが、小さいほうもなかなか強く、しかも数が多いので、こちらも祓魔師たちは手を焼いている。
そこに、シュラは参戦する。
剣を手にして、駆ける。
酔いは夜風にあたったせいもあって醒めている。
恐れず、自分よりもはるかに大きな敵に向かっていく。
シュラは剣技を繰りだした。
その威力は抜群。
これまで縦横無尽に暴れていた悪魔に、確実にダメージを与える。
シュラは強い。
その強さは、シュラの業であり、苦悩であり、そして誇りでもある。
持って生まれた才だけでなく、鍛えてきたからこその、強さだ。
シュラは大きな悪魔を倒した。
近くにいる祓魔師たちから歓声があがった。
けれども、まだ、小さいが強い悪魔がたくさんいるはずだ。
シュラは油断せず、あたりを見渡した。
そして、見た。
祓魔師の格好をした雪男が、その武器である拳銃で、襲いかかってくる悪魔たちを次々と撃ち抜いている。
その射撃はすさまじく早く、しかも正確だ。
シュラは助けに行こうとして、やめた。
雪男の戦いを眺める。
惚れ惚れするような戦いっぷりである。
つい、シュラの口元に笑みが浮かんだ。
やがて、悪魔はすべて倒された。
ふたたび、祓魔師たちのあいだから歓声があがる。
そのあと、シュラは事後処理は他の祓魔師にまかせて自分の部屋にもどることにした。
隣には雪男がいる。
「さーて、帰るか」
「そうですね」
「帰ったら、飲み直すぞ〜!」
「……違うだろ」
少し素をのぞかせた雪男に、シュラはからかうように笑ってみせた。






作品名:僕の可愛い人ですから 作家名:hujio