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小さな芽

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気がついたら横にいて
気がついたらそれが当たり前になってて、
気がついたら凄く居心地がよくなって、
気がついたらソレ無しじゃ生きられなくなった。

本に囲まれている生活はとても居心地がよかった。
誰にも邪魔されない。
自分だけの空間に癒された。
どういったわけか、よく先輩や不良に絡まれる俺にとってそこは、
唯一自分らしく居られる場所だった。

「ドタチン?なにしてんの?」

折原臨也。
最近よく図書室に出入りする奴。
俺の事をドタチンと呼び、なれなれしく話しかけてくる。
「ドタチンって呼ぶんじゃねぇよ。」
睨み付けるが一向に聞かない。
むしろ、それが楽しいみたいで、あおると余計に絡んできやがる。
「今日は何よんでんの?」
「一緒に帰ろう?」
「ドタチン!ドタチン!!」
はっきり言ってウザかった。

人間とは不思議なものである。
アレだけウザかった臨也の行動に次第になれていき、
それが当たり前になっていき、
俺だけの空間がいつの間にか二人のものとなっていた。
もちろん読書をするのは俺だけ。
臨也はその時々好きなことをしていた。
そんなある日・・・・。

「ドタチン?キスしよっか?」
一瞬頭の中が真っ白になった。
が、臨也のことだ。どうせ冗談だろう。
「別にいいぜ!やれるもんならやってみろよ。」

次の瞬間にはされていた。
時間が止まった気がした。
何も考えられなくなった。
え?俺?今どんな状況なんだろう。
誰も居ない図書室で、男にキスされてる。
しかも、臨也。
頭がしびれて動けない。
どうしちゃったんだろ俺・・・。

ここ数日臨也は図書室に来なかった。
何もなかったかのように静雄に追いかけられている。
まるで何もなかったかのように。
俺を記憶から消し去ったかのように。
なんだよ。俺ばっかり意識して・・・・
馬鹿みたいだ。

気がついたら横にいて
気がついたらそれが当たり前になってて、
気がついたら凄く居心地がよくなって、
気がついたら臨也無 しじゃ生きられなくなった。

臨也の唇の感触が忘れられないんだ。

この気持ちは一体どうしたらいいんだよ・・・・。
作品名:小さな芽 作家名:遠山雷