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ある日の休日、ある日の幸せ

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目の前にいるこいつをいったいどうしてくれようか?
俺のほうを一切みず、ただひたすら本を読みふけるこいつを、いったいどうしてくれようか?

「ドタチン?」
「・・・・・・・・・・。」
返事は・・・・ないっと・・・・・。
「ドタチン?ドーターチーン???」
「・・・・・・・・・。」
一向に無視ですか・・・・・。
「何読んでんの?」
「・・・・・・・・・。」
「それ、面白い?」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・ その犯人さ・・・・・実は・・・・・。」
「・・・・ギロッ!・・・・」
言い終わる前に睨まれる。
「睨む事ないじゃん!けど、 やっとこっち見た・・・・。あのさ?ドタチ・・・・・」
「・・・・・・・・。」
また、本に夢中になっちゃった・・・・と・・・。
てことわだ。
ドタチンは俺より今、本が大事で、久しぶりに会った俺よりも大事って事で。
「ふぅ~ん。」
久しぶりに会えたのに 無視ですか・・・・そうですか。
俺より、いつでもどこでも読める小説の方がいいですか。

気に入らないな。
目の前 に俺がいるのに、別の物に興味の対象がいっていること事体気に入らない。
かといって、邪魔して怒らせるのも嫌だし・・・。
って、俺、何女々しい事考えてんだろう。馬鹿らしい。
「はぁ。」
っと、思わずため息がでた。俺らしくもない。

何日たった?何時間たった?
まだ、30分か。
こうやって、本読んでる前に座り込んで気付かれない俺。ちょっとかっこいい。
シズちゃんなら怒涛の如く殺しに来るんだろうな。
これだけ俺の存在を無視し続けられるって相当なニブチンだぜ?
に、してもさ?よく見るとドタチンって、まつげ長いよね。
目も大きいし、唇の形だって綺麗だし・・・・。
カッコいいな。 
「ねぇ、ドタチン?ドタチンってさ?俺の事本当はどう思ってんの?」
「・・・・・・。」
「俺は大好きだよ?ドタチンかっこいいもんね。」
「・・・・・・・・・。」
「チュウしてもいい?」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「返事しないとチュウしちゃうよぉ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「どーターちーーーーーーーーんっっっ?!」

え?ちょっと?今何が起きてる?
いくら天下無敵のイザヤ様だってこの事態は予測できてなかった。
俺今、キスされてるよね?
何?俺超ラッキー?!

「イザヤ、もう少しで終わるからもう少しまってくれ。」
そう言って、真っ赤な顔してドタチンは目をそらす。
ちくしょう!カワイイ!!
なんて、言ったらきっとまた口を利いてくれなくなるんだろうな。
「やだよ。やっとドタチン俺の方向いてくれたんだから、そうだなぁ~お腹すいたし、なんか作ってよ?」
無理やり膝の上を陣取って首に手を回す。
慌てるドタチンの姿があまりにも可愛くてなんだか笑える。
「わかった!わかったからそこをどけって!」
耳まで真っ赤だ。
そんなドタチンを見て何故か俺まで恥ずかしくなった。

あぁ、俺、やっぱりドタチンには勝てないのかな。
惚れた方が負けってさ?
こういう事を言うんだろうな。
ぶつぶつ文句を言いながらもキッチンに向かったドタチンの姿を見て、幸せをかみ締めた。

あぁ、今日が終わらなければいいのに。
なんちゃって。