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ゆち@更新稀
ゆち@更新稀
novelistID. 3328
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【ノマカプAPH】World end.

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世界の終わりが見てみたい

いつものごとく、まるで挨拶のひとつかのように彼女の口から零れでた破滅願望を、いつものごとく、手で水を掬うように拾った。
朝方から降り始めた雪が、椿咲く庭に真白を敷く。
その上に、どちらが真か見まごうほど相合う素足を重ねて魅せる彼女は、かく、小さな吐息を漏らした。


「ナターリヤさん」


冷えますから、此方に
再三申し出てみるものの、案の定、返事は無かった。
ふう、と溜め息を溢した。
火鉢の練炭を、ニ、三ずらすとぱちんぱちんと火の粉が散る。


「本田」


世界の終わりが、見たい
駄々子のように重ねられた言葉が、指の隙間から零れ堕ちる。


「それは、無理だと思いますよ」
「どうして」


羽織を小さな背中に被せる。床に触れた裸足、きぃんと痛んだ。


世界が終焉を迎えれば、


「貴女も、共に終わるでしょう?」


結晶のようにきらきらと光る睫毛を、一度ぱさり、閉じてから、彼女は冷たい手のひらを重ねて此方を見上げた。そのまま下に引っ張られるがままに、かがむ。
氷の華に、唇が触れた。


世界が終わったら、


「お前も終わるのか」


ええ、


「私も、終わります」


寒い、
猫のように身体をすりよせて瞼を閉じる。


「寝るなら、部屋に入りましょう」
「ああ、わかった」


じゃあ、連れてけ
言葉だけ、自分から動こうともしない彼女の肩に、一度溜息を零してから、手を添えた。



はじまりへ還りませんか終わりを愛せません か?