会話文
「何見てるんだ。」
「外」
「あいつと…生徒会か。楽しそうだな」
「…」
「寂しいのか」
「別に。」
「素直じゃないな」
「…」
「そうだ、卵焼き作ってあげようか」
「…あまいのがいい」
「はいはい」
錫也がそう言って自然に手を出すから俺はいつも甘えてしまう。
見たくないものを見ないで済むなら、
世界がこのまま閉じていけばいいのに。
■保健医と
「少し熱があるな。少し休んで行きなさい」
「大丈夫っす」
「駄目だ。熱が上がったらどうする」
「なんとかします……離して下さい」
逃げろ、逃げろ逃げろ。
ここは駄目だ。
ひどく寂しい気持ちになる。ああ、でも保健医もまた寂しいのだろうか。
「離し…「…俺が心配だからいてくれ」」
「先生、」
「なんだ」
「」
「そうだな、おやすみ」
握られた手が暖かくてゆっくり休むことにした。