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あらしのように

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3人は非常に困っていた。

いつものように羊がお腹をぐーぐーと欠食児童よろしく盛大にお腹を鳴らしたため急遽食堂に向かっている途中やっかいな人物に遭遇してしまったのだ。



■嵐のように■



「あっほあっほアホ毛ーぬーんぬーん」
「ちょっとやめてよね。元気なくなっちゃうでしょ」

ぬーんぬーんと翼に引っ張られてへなへなといつもより下に下がっていく羊のアホ毛。
羊も始めは抵抗していたものの今は諦めたのかどんよりし様子で興味が薄れるのを待っていた。



「元気って…おい錫也、あれって生きてるのか」
「どうだろうな」
哉太と錫也は巻き込まれたくないのか二人から少し離れた場所でこそこそ話していた。

「哉太も錫也も何言ってるの冗談に決まってるじゃない」
地獄耳を発揮した羊はクワッと言い返すが、二人は今ひとつ納得できていない様子で何とも言えない表情で羊を見た。


正確には羊のアホ毛、をだが。


羊、アホ毛、羊、アホ毛の順番で何度も見つめる二人に耐え切れなくなった羊は憤慨した様子で「そんな訳ないでしょ。失礼だな、本当」ジトっとした目でもう一言念押しをした。

しかし二人は何度言われても羊の言っていることが信じられない。
なんせ上へ下へ右へ左へまるで意志があるかのように赤くて細いそれ動いているのだ。
「もしかすると中に小人入ってるんじゃねえか?」
「ノーコメントで」
眉間にシワを寄せながら哉太は真剣に考え錫也は困ったように苦笑いを浮かべる。



全くそんなことを気にしない翼はアホ毛で遊んでいた。
「ぬーんぬーん。みょーんびよよよーん」
引っ張ったり啄いたり押さえたり手で束を裂いてみたり


あ、いい加減離してやらないと痛そうだなと2人は思った。


「はあ、…お腹すいた」しょんぼりと羊、いじられながらも合わせてしょんぼりするアホ毛。

錫也は敢えてアホ毛の事は忘れることにした。

「なあアホ毛元気になってるぞ。」
哉太はアホ毛がまだまだ気になる様子である。



散々羊のアホ毛で遊んで飽きてきたのか狙いを変えることにしたらしい翼は
「ぬーんぬーん!次は鳥の巣なんだぞ!!!!
叫びながら哉太の毎日30分かけてセットされている本人自慢の頭目掛けて突っ込んでいった。

「あ、こら!こっち来んな!」

自分が狙われると思わなかった哉太は気づいたときには既に遅し、見事捉えられてしまった。
体格差もあるため前から抱きつかれ体重をかけられているので逃げるにできない。

「ぬーんぬーんぬぬぬぬぬーんぬーんもふもふだあ」と目をキラキラさせている翼に好き放題されてしまう。
「うぅぅぅおれのおされへあーが…すずやぁ」
涙目になりながら錫也に助けを求める哉太。

「さすがに困ったなあ」
「どうしよう」

敢えて翼と哉太を見ないようにしながら錫也と羊が相談していると
遠くから地響きを立てながらすごい速さで走ってくる小さなものが見えた。

「つううううばああああさあああ」
「う!!!ぱっつん!!じゃないや梓!!」
「あれほど他の人に迷惑かけちゃ駄目だって言っただろ!!!」
「わーーぱっつんが怒った!!逃げろーーーぬーん」

従兄弟な保護者登場にさすがに焦った翼はポイっと哉太を離し逃げた。

「待て!!先輩方本当にすみませんでした。あとで本人にも謝罪させますので。翼!!」

謝罪をし、すぐさま追いかける梓。

嵐のように去っていった。

「はは…木ノ瀬くん、苦労するなあ…」
ぽつり、二人が去った方向を見ながら錫也は呟いた。



「おれのおされへあー…」
「お腹減った…」
「はいはい…人の事は言えないな…」








【おまけ】保健室組

巻き込まれのが嫌で傍から見ていたらしい保健室組。
「まったく若いっていいよねー」
「水嶋ぁお前はどうしてそうなんだ!うりゃっ」
「ちょっとやめてくださいよ」
「郁の髪型なんてぼさぼさでももじゃもじゃでも変わらないだろ…ねむい」
「こたにぃ…それはないよ…」


作品名:あらしのように 作家名:はる